2011-01-01から1年間の記事一覧
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下) スティーグ・ラーソン ヘレンハルメ美穂, 岩澤雅利 訳 ハヤカワ文庫 2011年 各840円 骨折での蟄居閉門が解かれ、あちこちウロウロと動き回っているうちに、あっというまに今年も終わりになってしまいました。…
ダイイング・アイ 東野圭吾 光文社文庫 2011年 700円 雨村慎介は何者かに頭を殴られて重傷を負う。意識を取り戻したとき、記憶の一部を失っていた。運転していた車で死亡事故を起こしたということをどうしても思い出せない。自分の身に何が起きたのかを探る…
最後の陪審員(上・下) ジョン・グリシャム 新潮文庫 2007年 各700円 もらい物の未読本を探してきました。リーガル・サスペンスなのかと思って読み始めましたがその要素は少なくて、楽しく読み終わりました。 大学を出たばかり23歳のジャーナリスト志望のウ…
二週間ぶりにやっとのことで帰宅。まだ、右足のギプスで自動車の運転もできません。田舎ではほんとうに困るんです。でもまあ、『おひとりさまの老後』の「練習」だと思って、何とか工夫して暮らしています。が、よく考えてみれば「練習」ではなくて「本番」…
[ マスカレード・ホテル 東野圭吾 集英社 2011年 1680円 作家生活25周年の第三作目、ニューヒーロー登場ということで期待して読みました。半日で読了。あまりにあっけなく読み終えてしまったので拍子抜けだったけれど、面白いのは確かです。 複数の容疑者の…
[ チョコレート・コスモス 恩田陸 角川文庫 2011年 820円 『六番目の小夜子』『夜のピクニック』とジャンルを同じくする青春物。恩田さんの他ジャンルの長編小説は苦手なものが多いのですが、やっぱり青春物はいいですね。是非お奨めしたい作品です。 演劇の…
用事があって急いで東京に向かう途中、静岡駅で右足捻挫。(あーあ、良いほうの足なのに。)何とか目的地にはたどり着いたものの、翌日、整形外科で「くるぶしを骨折」と言われギプスに松葉杖。一週間ほど東京の実家に居ますが、静岡の自宅に帰れるのは、も…
あいかわらず、静岡と東京を行ったりきたりです。三時間の高速バスの中では意外と読書がはかどりません。年とともに集中力が低下したらしいので、音の出る耳栓(iPod)を買ってみましたが、効果はイマイチ。 岸辺の旅 湯本香樹実 文藝春秋 2010年 1200円 三年…
紫式部 清水好子 岩波新書 1973年 735円 家集『紫式部集』を丁寧に読み解いて、その生涯をたどる評伝です。古い本ですが、じっくりと読んでみました。紫式部という一人の女性のみずみずしい心のさまを描いた名著です。 晩年に自纂されたという歌集の冒頭歌 …
海の短編集 原田宗典 角川文庫 1997年 390円 寝る前に読みきれる本を探して、本棚から未読の一番薄い本を選んだ。貰い物か家族の持ち物か不明だが、原田宗典という作家も初めて。12編の海にまつわる不思議な話だが、がっかりするくらいわかりやすいものも、…
オリーヴ・キタリッジの生活 エリザベス・ストラウト 小川高義訳 早川書房 2010年 2200円 アメリカ東部の田舎町の市井の人々をめぐる連作短編。13編のすべてに、脇役として、時に主役として登場するのがオリーヴ・キタリッジで、読み進むにつれて、中年から…
またしばらく実家に行ってまして、帰静してからバタバタと雑用を片付け、やっと読書に戻れました。 11(eleven) 津原泰水 河出書房新社 2011年 1700円 こういうジャンルの小説に食指が動かなくなって久しいのですが、先ごろ週刊ブックレヴューで絶賛されてい…
うなドン 南の楽園にょろり旅 青山潤 講談社 2011年 1600円 『アフリカにょろり旅』を読んで、どうも「ウナギ愛」に感染したらしく、夕食後二時間で読了。 全世界のウナギ18種をすべてサンプリングするという至上命令の下、ウナギ研究界のドン・キホーテよろ…
不死細胞ヒーラ レベッカ・スクルート ヘンリエッタ・ラックスの永遠(とわ)なる人生 中里京子著 講談社 2011年 2800円 『不死細胞ヒーラ』という書名で、一瞬オカルトサイエンスか何かと勘違いしましたが、あのHeLa細胞のことではないですか。60年も前に、…
一週間ぶりに読書に戻れました。週刊ブックレヴューで紹介されていた「うなドン」の前作。午後の二時間で一気に読みました。 アフリカにょろり旅 青山潤 講談社 2007年 1600円 ウナギの系統進化を解明すべく、アフリカ大陸に生息する18番目のウナギ「ラビア…
夜が明けると、台風15号に直撃された静岡では、ちぎれた葉や小枝が散乱し、ひどい有様でした。街に出てみると、一抱えもある倒木を何本も見かけました。こんな太い木まで倒れたのでは、電線はひとたまりもありませんね。 夜明けの街で 東野圭吾 角川文庫 201…
流れ行く者 上橋菜穂子 守り人短編集 偕成社軽装版ポッシュ 2011年 900円 守り人シリーズの外伝ではあるけれども、独立した短編として読んでも素晴らしい。特に『ラフラ(賭事師)』と『流れ行く者』は絶品です。読み終えたばかりの感動のため、いつもより饒…
他殺の効用 内田康夫 中公文庫 2011年 590円 短編五話。内田康夫の短編は読むのが始めてかもしれません。いつもの長編から旅情と社会派風部分をとった感じで、よくまとまってます。どれもラストに特徴のあるものを集めたということですね。 『他殺の効用』 …
真夏の方程式 東野圭吾 文藝春秋 2011年 1700円 夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。その男は定年退職した元警視庁の刑事だと…
天と地の守人(一部・二部・三部)上橋菜穂子 偕成社軽装版ポッシュ 2008年-2009年 各900円 チャグム、ごめんね!祖国を救おうと、サンガルの暗い海に一人飛び込んだあなた『蒼路の旅人』を、一年近くも放っておいて。新ヨゴ皇国では、行方不明になったチャ…
一ヶ月以上休眠していましたが、9月になってからやっと朝晩が涼しくなり、諸般の事情も落ち着き、読書に戻れます。 この一ヶ月に読んだ本は数冊。行きがかり上、必要があって読んだ本が殆どなので、記事にできるのはこの一冊です。 スプーンと元素周期表 サ…
ベルリン・コンスピラシー マイケル・バー=ゾウハー 横山啓明訳 ハヤカワ文庫 2010年 940円 バー=ゾウハーの15年ぶりの新作だそうです。 アメリカ在住の老ユダヤ人実業家は、決して足を踏み入れまいとしていたはずのベルリンのホテルで目覚めた。そして62…
また、18日(月曜日)に東京から高速バスで帰ってきました。台風6号が来る前に・・と思ったのですが、高波の影響で東名高速下りが一部不通となり、予定の倍の六時間かかりました。読む本は充分に用意していたのですが、何時間かかるかわからない渋滞の中では…
暑い日が続きます。東京の実家から帰ってきて数日、朝から張り切って、溜まっていた留守中の用事を片付けてしまおうと頑張っていたら、一昨日、なんと!熱中症になりかけました。 頭痛がして、体がだるく、何も考えられない感じ。だんだんに吐き気もしてきて…
嘘をもうひとつだけ 東野圭吾 講談社文庫 2003年 495円 加賀刑事シリーズ、5つの連作短編。事件関係者に練馬署の加賀刑事が聞き込みに来る。彼にはもう真犯人がわかっているらしい。細かい事実を積み重ねて、犯人の嘘をじっくりと追い詰めていく。 『嘘をも…
留守の間にありったけ伸びた雑草に、草取りをする気力も失せました。用事をいちおう片付け、撮り溜めてあったTV番組も見終わりました。このところの暑さでパソコンが発熱?し、危篤状態。では、本でも読もうか・・・・と、このごろ、読書の優先順位がかな…
虐殺器官 伊藤計劃 ハヤカワ文庫 2010年 720円 2007年の発表当初の高い評価は知っていたけれど、題名と表紙絵にビビッて読めませんでした。凄惨な場面の多い底の浅いエンターテインメントだったらいやだなあ、なんて思っていたのですが・・・・。文庫版を見…
用事が一段落して、やっと留守宅に戻ってみると、予想通り庭は雑草だらけです。あいにく梅雨入りで庭仕事もままなりません。種を播いたまま放置していた朝顔の苗が、何とか生き残っていたので大きなプランターに植え替えました。かなり弱っているようなので…
先週、一週間ぶりに家に帰ったら、萎れた鉢植えとは対照的に、ドクダミがわんさか伸びて花盛り。あと二週間留守にしたら、雑草たちに庭を乗っ取られる事は確実!でも、何年も手を入れずにうっそうと茂った植物に囲まれて暮らすのもいいかなあ、なんて思う本…
火曜日の夕方に静岡に戻り、木曜日の朝にまた上京。こんな生活、疲れる・・・・。電車に乗る時間が長いので、読書は思いのほか捗るけれど・・・。出先の古本屋で、こんな古いSFを見つけた。最近復刊されたらしい。 マイナス・ゼロ 広瀬正 集英社文庫 改訂2…