壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

生命とは何か   ポール・ナース

生命とは何か ポール・ナース 竹内薫訳 ダイヤモンド社 図書館本 生命とは何か 物理的にみた生細胞 シュレーディンガー 岡小天・鎮目恭夫 訳 岩波文庫 電子書籍 ポール・ナースの『生命とは何か』を読むにあたって、まずは、シュレーディンガーの『生命とは…

うるさいこの音の全部  高瀬隼子

うるさいこの音の全部 高瀬隼子 文藝春秋 図書館本 『おいしいご飯が食べられますように』で芥川賞を受賞した著者の、実体験を模したような小説『うるさいこの音の全部』。 大手のゲームセンターの社員として働く長井朝陽は、ひそかに書き続けていた小説で新…

香子(四) 帚木蓬生

香子(四) 帚木蓬生 PHP研究所 図書館本 『香子(三)』に続き、560頁の(四)にまた一週間以上かかった。 香子(紫式部)の物語は、中宮彰子の第一子・第二子(一条天皇の第二皇子・第三皇子)を出産して間もなく一条天皇が崩御し、彰子が皇太后となるまで…

おいしいご飯が食べられますように 高瀬隼子

おいしいご飯が食べられますように 高瀬隼子 講談社 Audible 二回目のお試し期間で聴いたオーディオブックです。ありふれて見えた人間関係が実にスリリングでした。小さな営業所の会社員たちの食事事情は「サラメシ」風ですが、お仕事小説ともグルメ小説とも…

進化のからくり  千葉聡

進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語 千葉聡 講談社BLUE BACKS Audibleと紙の本 『歌うカタツムリ』の著者による、進化学を巡るエッセイ。Audibleの聴き放題で見つけて、積んであった紙の本と並行して読みました(耳学問だけでは理解しにくい所があり…

シャーロック・ホームズの建築 北原尚彦

シャーロック・ホームズの建築 北原尚彦 文 村山隆司 絵・図 エクスナレッジ 図書館本 シャーロック・ホームズの正典に登場する建築の間取り図が17載っている。ホームズのミステリに出てきた密室で覚えているのは、『まだらの紐』と『恐怖の谷』くらいだと思…

対岸の彼女  角田光代

対岸の彼女 角田光代 文藝春秋 電子書籍&オーディオブック 先月、角田光代氏の講演会を聴きに行った。著書を一冊しか読んでいないことに思い至り、講演の前にと、とりあえず直木賞受賞作を選んだ。お試しのAudibleで聴いていたが、ナレーターの読みが上手で…

香子(三) 帚木蓬生

香子(三) 帚木蓬生 PHP研究所 図書館本 香子(二)に続けて、500頁にまた一週間かかった。 香子(紫式部)の物語は、中宮彰子への御進講を依頼され、彰子が皇子を出産して道長が権勢を振るい始めるころまでが描かれている。紫式部日記の内容も盛り込まれて…

わたしの美しい庭   凪良ゆう

わたしの美しい庭 凪良ゆう ポプラ社 図書館電子書籍 図書館の電子書籍は未だコンテンツが少ないので、とりあえず借りられる小説を予約しておいたのが、回ってきた。初読みの作家。 マンションの屋上にある「御太刀神社」には、悪縁を断ち切るという御利益が…

香子(二) 帚木蓬生

香子(二) 帚木蓬生 PHP研究所 図書館本 香子(一)に続けて、内容の濃い500頁に一週間かかった。 香子(紫式部)の結婚と出産、父母の帰京、祖母の死、夫宣孝の死、中宮への出仕と変化していく時に、源氏物語のどの部分が書かれていったのかがわかるように…