壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

刀伊入寇 葉室麟 / 刀伊の入寇 関幸彦

刀伊入寇 藤原隆家の闘い 葉室麟 実業之日本社 電子書籍 大河ドラマ『光る君へ』を見ている。千年も前の時代なのに、平安貴族たちの日記に詳細な史実が記録されているという。その史実の合間をかいくぐってラブコメめいたストーリーが展開されているのが面白…

調性で読み解くクラシック  吉松隆

調性で読み解くクラシック 吉松隆 ヤマハ出版 ピアノのどの音を聞いてもドの音にしか聞こえない私。絶対音感という言葉を知ってはいても感覚的に理解ができない。ハ長調もト長調も区別がつかない絶対音痴だが、転調したことは何となく分かる。70歳になって習…

飢えた潮  アミダヴ・ゴーシュ

飢えた潮 アミダヴ・ゴーシュ 岩堀兼一郎訳 未知谷 図書館本 著者のノンフィクション『大いなる錯乱』で何度か言及されていた、インドベンガル地方、ガンジス川下流域の広大なデルタ地帯を舞台にした小説だ。読みやすく惹きつけられるストーリーで、500頁を…

セカンドチャンス   篠田節子

セカンドチャンス 篠田節子 講談社 図書館本 ミステリアスでもホラー風味でもない、中高年女性のラノベかな。10年ほど前の『長女たち』では、介護の只中にいる女性たちを描いて、ミステリアスな雰囲気だったが、本書は介護を終えた女性たちの立ち直りを描い…

大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件  カーク・ウォレス・ジョンソン

大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件―なぜ美しい羽は狙われたのか カーク・ウォレス・ジョンソン 矢野真千子訳 化学同人 長い題名の凝ったミステリ小説なのかと思ったら、犯罪ルポルタージュだったが非常にスリリングなストーリーでミステリ小説顔負けだ。それ…

地図と拳  小川哲

地図と拳 小川哲 集英社 図書館本 満州の架空の都市「李家鎮」を舞台にした歴史小説の600頁を超える厚さにたじろいだが、面白くて一気に読み終えた。1899年の日清戦争後から1945年の敗戦を越えて半世紀以上にわたって、満州にかかわった多数の人物の視点で物…

君のクイズ  小川哲

君のクイズ 小川哲 朝日新聞出版 図書館本 同じ著者の分厚い『地図と拳』と並んで図書館の棚にあった。分厚さにたじろいで、この薄い本も一緒に借りた。 クイズ番組のテーマにした謎解き風の話で、面白くて一気に読んでしまった。 生放送のクイズ番組の王者…

デジタルで読む脳×紙の本で読む脳  メアリアン・ウルフ

デジタルで読む脳 × 紙の本で読む脳:「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる メアリアン・ウルフ 大田直子訳 インターシフト 図書館本 前書の『プルーストとイカ』で、“人間の文明の中で書字が発展するにつれて私たちの脳がどのように変化していった…

大いなる錯乱  アミダヴ・ゴーシュ

大いなる錯乱 気候変動と〈思考しえぬもの〉 アミダヴ・ゴーシュ 三原芳秋・井沼香保里 訳 以文社 図書館本 インド生まれの作家アミダヴ・ゴーシュの小説はこれまでに三冊読んでいる。SFめいた『カルカッタ染色体』、大河小説ともいえる『ガラスの宮殿』、イ…

半沢直樹シリーズ 全5巻  池井戸潤

半沢直樹シリーズ 全5巻 池井戸潤 Audible オレたちバブル入行組 オレたち花のバブル組 ロスジェネの逆襲 銀翼のイカロス アルルカンと道化師 読書出来ない日が続いたが、Audibleの2回目のお試し期間でシリーズ5巻を聴き切った。面白いという評判を聞いて…