壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

シャーロック・ホームズの誤謬  ピエール・バイヤール / バスカヴィル家の犬 コナン・ドイル

シャーロック・ホームズの誤謬 『バスカヴィル家の犬』再考 ピエール・バイヤール 平岡敦 訳 創元ライブラリ Kindle版 バスカヴィル家の犬 【新訳版】 アーサー・コナン・ドイル 深町眞理子訳 創元推理文庫 Kindle版 『アクロイドを殺したのはだれか』で、ク…

いわさきちひろ  子どもへの愛に生きて 松本 猛

いわさきちひろ 子どもへの愛に生きて 松本 猛 講談社 いわさきちひろ生誕100年に、ちひろの息子さんが書いた評伝。赤ちゃんの絵本のやわらかなイメージしかなかったが、いろいろ苦労のあった55年の生涯だったようだ。戦前戦中の満州での経験、共産党に入党…

隠居すごろく  西條奈加

隠居すごろく 西條奈加 角川文庫 Kindle Unlimited 商売一筋で堅実を旨としてきた糸問屋嶋田屋の六代目徳兵衛が、還暦を期に隠居をする。これでやっとのんびり好きなことが出来ると思っていたが、どうも当てが外れた。頑固爺は何にもすることがないのだ。と…

台湾 四百年の歴史と展望  伊藤潔

台湾 四百年の歴史と展望 伊藤潔 中公新書 電子書籍 台湾関連の小説を読んで、その歴史を知りたくて選んだのが本書でした。1993年に書かれた本だと気が付いたのが読み始めてからでしたが、最近の30年の歴史はリアルタイムでなんとなく知っているので、よしと…

六月の雪  乃南アサ

六月の雪 乃南アサ 文春文庫 電子書籍 『自転車泥棒』で台湾の歴史を知りたくなりました。台湾を舞台にした日本の小説はいくつもあるようですが、まずは本書から。初読みの作家、乃南アサです。 声優への夢を諦めて派遣として働く32歳の未來は、同居の祖母の…

自転車泥棒  呉 明益

自転車泥棒 呉 明益 天野健太郎 訳 文春文庫 電子書籍 『歩道橋の魔術師』のノスタルジーを求めて読み始めたのだが、いい意味で裏切られた。 かつて台北市にあった「中華商場」で育った「ぼく」の父は、20年前に自転車と共に失踪した。「ぼく」は古い自転車…

シュレーディンガーの少女  松崎有理

シュレーディンガーの少女 松崎有理 創元SF文庫 電子書籍 本の扉には“GIRLS IN DYSTOPIA”とある。ディストピア世界で生きる女たちの物語として括られる六編だ。ディストピアの定義はさて置くとして、この六つの物語が描かれている世界は同一のものではないら…

方丈記  / 漫画方丈記  鴨 長明

方丈記 鴨 長明 蜂飼 耳 訳 光文社古典新訳文庫 Kindle Unlimited 漫画方丈記 鴨 長明 (著), 信吉 (イラスト) 文響社 Kindle Unlimited 読み放題だった二冊。 古典文学の三大随筆は『枕草子』『徒然草』『方丈記』だそうだ。清水義範著『身もフタもない日本…

化物蝋燭  木内 昇

化物蝋燭 木内 昇 朝日文庫 Kindle 七編の短編集。どれも、江戸を舞台に庶民の暮らしを描いた不思議噺です。古めかしい文章は岡本綺堂の『鬼談』のような雰囲気ですが、ストーリーの起承転結はもっと明確で納得のいく読後感があります。こういう話は、「怪談…