壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

山羊の島の幽霊 ピーター・ラフトス

山羊の島の幽霊 ピーター・ラフトス 甲斐理恵子訳 ランダムハウス講談社 2008年 1800円 なかなか死ねない僕と、ある幽霊の復讐の旅が始まった。死せる本の墓場に、地下に棲む怪物、血に飢えた図書館-奇妙な世界に迷い込んだ男の運命を描く、傑作ゴシック・ユ…

桜庭一樹読書日記

桜庭一樹読書日記 東京創元社 少年になり、本を買うのだ。2007年 1500円 書店はタイムマシーン 2008年 1600円 未読の作家の作品をどれから読むかに迷うことがあります。そんな時はまずエッセーのような軽いものに手を出してみます。 第二作(書店はタイムマ…

Google Earthでみる地球の歴史 後藤和久

Google Earthでみる地球の歴史 後藤和久 岩波科学ライブラリー 2008年 1500円 もちろん図書館で借りたのですが、ちょっとワイドな新書版でたった100ページの本が1500円というお値段。でもオールカラーで、ネット環境にあればさらに充分楽しめる本です。先史…

クロック商会 フリードリヒ・グラウザー

クロック商会 フリードリヒ・グラウザー 種村季弘訳 作品社 1999年 2000円 「老魔法使い」で知ったシュトゥーダー刑事のシリーズ。五編の長編の、第四作に当たります。「老魔法使い」にあった二つの長編とは雰囲気が異なり、少し軽めです。 1920―30年代でし…

名画で読み解くハプスブルク家12の物語 中野京子

名画で読み解くハプスブルク家12の物語 中野京子 光文社新書 2008年 980円 650年にわたるハプスブルグ王朝の歴史を12枚の絵で紹介するというのでかなり駆け足ですが、 中野さんの簡潔明瞭にしてしかもドラマチックな語りで、今回もまた楽しませていただきま…

幕末裏返史 清水義範

幕末裏返史 清水義範 集英社 2008年 1700円 時代小説を読むつもりで、こんなのを借りてしまいました。’’’もしも~だったら’’’という架空の幕末史です。 嘉永六年(1853年)、日本びいきのフランス人アナトール・シオンが出島にやってきました。二十代半ばの…

河岸 ものと人間の文化史139 川名登

河岸 ものと人間の文化史139 川名登 法政大学出版局 2007年 2800円 「江戸に和む」で知った江戸時代の利根川水運に興味を持ちました。利根川東遷や、江戸時代に年貢米など運輸が盛んだったころ、山本周五郎の「青べか物語」にあるような利根川水系の水運が衰…

雪沼とその周辺 堀江敏幸

雪沼とその周辺 堀江敏幸 新潮社 2003年 1400円 「いつか王子駅で」でノスタルジーをかきたてられて以来、同様のものを求めてこの作家の作品を読んでいるのですが、あれは『都電』に対する個人的な思い入れに由来するものだったのかもしれません。 一つ一つ…

マーブル・アーチの風 コニー・ウィリス

マーブル・アーチの風 コニー・ウィリス 大森望 編訳 早川書房プラチナファンタジー 2008年 2000円 短編集「最後のウィネベーゴ」では”月経小説”を読んで抱腹絶倒しました。しかし、コニー・ウィリスの長編は長くて長くて、いまだ手が出せずにいます。本書は…

象と耳鳴り 恩田陸

象と耳鳴り 恩田陸 祥伝社 1999年 1700円 恩田さんの初期の短編集です。退職判事の関根多佳雄が安楽椅子探偵役をつとめます。あれっ、この関根多佳雄は、「六番目の小夜子」に出てきた関根秋の父ではないのかしら!ということは関根春と関根夏は秋のきょうだ…

図書館 愛書家の楽園 アルベルト・マングェル

図書館 愛書家の楽園 アルベルト・マングェル 野中邦子訳 白水社 2008年 3400円 マングェルの「読書の歴史 あるいは読者の歴史」は、切り口のユニークさと薀蓄に満ちた素晴らしく面白い本でした。本書もまたすごく面白い。本好き、図書館好きにはたまりませ…