2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧
富士山 平野敬一郎Audible Audibleで聴いた『息吹』を収録した短編集『富士山』を聴いた。字で読みたいところではあるが、耳からでも非常にわかりやすい文章だった。朗読の巧みさもあるのだろう。「もし、あの時あれがあれば(無ければ)・・・」をテーマに…
営繕かるかや怪異譚 その参 小野不由美角川書店 図書館本 『営繕かるかや』1、2の続きを図書館で借りた。小野さんの「優しいホラー」の舞台は前作と同じく地方の古い城下町で、怪異を体験しているのは主にアラサー女性。丁寧な語り口で、読み終わって癒され…
老眼が進行中の老人に向いている「耳から読書」だけど、忘れそうなのでまとめて記録しておく。散歩中、炊事洗濯掃除中、睡眠導入として、一日約3時間をAudibleに充てている。集中しなくても理解できるライトな小説が聴きやすい。 ラストライン4 骨を追え 堂…
内なる亡命日記 ナチ政権下の日々1933-45 ヘルマン・シュトレザウ 高田ゆみ子訳 白水社 図書館本 『その昔、N市では』の著者であるマリー・ルイーゼ・カシュニッツ(1901~1974)が内定亡命者であるという解説を読んで、内なる亡命とはどのような日常なのか…
営繕かるかや怪異譚 / 営繕かるかや怪異譚その弐 小野不由美 角川 Audible 読みたい本をAudibleで見つけた。一巻目は十年ほど前に読んでいる。だいぶ忘れているのでまとめて聴いた。 営繕かるかやの尾端さんの営業範囲は地方の古い城下町とその周辺なのだろ…
アウシュヴィッツの小さな厩番 ヘンリー・オースター / デクスター・フォード 大沢章子訳 新潮社 図書館本 少年の目から見たホロコーストを描いたノンフィクションだ。壮絶な状況に胸が痛むが、章立てが細かく分かれているうえ、平易な文章で描写がニュート…
光のとこにいてね 一穂ミチ 文藝春秋 図書館本とAudible 移動図書館の棚で見つけた本を読み始めた。散歩の間はAudibleを聴き、先が早く知りたくて本を読みふけった。 小学校二年生(七歳)の頃に偶然知り合った結珠(ゆず)と果遠(かのん)の物語。裕福な医…
ある犬の飼い主の一日 サンダー・コラールト 長山さき訳 新潮クレスト・ブックス 図書館本 表紙の犬の絵が可愛くて図書館で借りたが、中年男性の長い一日の「意識の流れ」を描いたオランダの小説で、が主題というわけもなかった。ヘンクの長い一日は土曜日だ…
墨のゆらめき 三浦しをん Audible Original Audible の半額お試し期間三か月(月750円)が今月で終わるので脱会しようとアクセスしたら、アマゾンから新たな半額お試し期間(月750円)を提案された。やめるきっかけを失って、腰砕けで延長した。一番人気だと…
メトーデ 健康監視国家 ユーリ・ツェー浅井晶子訳 河出書房新社 図書館本 コロナ政策から逃れて過ごす人々を描いた『人間の彼方』で知ったドイツの作家ユーリ・ツェーの作品が今年翻訳されていた。健康維持を国民の義務として、国家による監視が行われている…
じい散歩 藤野千夜 Audible じい散歩 妻の反乱 藤野千夜 Audible 『団地のふたり』が面白くて、同じ著者の『じい散歩』2冊を続けて聴いた。 明石家のシンペイとエイコは共に90歳前後の夫婦。シンペイは散歩が好きで、うまいもの/甘いもの(女性も)が大好き…
団地のふたり 藤野 千夜 Audible 落ち着いて本が読めない状況で、Audibleに頼って過ごしていた。NHKドラマを見て、原作を読んだ聴いた。ドラマには原作にないエピソードが盛り込まれているが、芸達者な俳優さんたちが原作の雰囲気そのままに、登場人物を演じ…
ピアノを尋ねて クオ・チャンシェン倉本知明訳 新潮クレスト・ブックス 台湾の音楽小説。刊行されてすぐのクレスト・ブックスが借りられてラッキーだった。少年のころに優れた音楽的才能を見出されながら、演奏家ではなく調律師として働く「わたし」は、音楽…
闇をわたる: 警視庁特別対策捜査官 堂場瞬一Audible Original オーディオブックのための書きおろしにして、新シリーズ。警視庁特別対策室というのは、被害者もしくは加害者がセレブであるときに、対応する一人部署だそうだ。かつてセレブであったという過去…