壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

薬屋のひとりごと  日向夏

薬屋のひとりごと 1/2/3 日向夏 ヒーロー文庫 Kindle unlimited 夜中に目が覚めて、眠れないままテレビを付けた。半分寝ぼけながら見たアニメが面白そうだったので原作を探した。ヒーロー文庫というレーベルを初めて知った。14巻もある人気のライトノベ…

佇む人  筒井康隆

佇む人 リリカル短篇集 筒井康隆 角川文庫 電子書籍 リリカルと銘打っているだけに、筒井毒が薄目な短編が20。奇妙な設定の中で情感があふれる表題作の「佇む人」、「母子像」は、切ないまでの家族愛を描いている。数十年ぶりに読み返してみると、より一層胸…

みちくさ道中  木内昇

みちくさ道中 木内昇 集英社文庫 電子書籍 初のエッセイ集だそうです。身辺雑記の中にも自分の生き方、小説に対する姿勢などが盛り込まれていて、一本筋の通った人柄が感じられました。若い時は超体育系だったとか、どちらかというとオトコマエな感じで、子…

黄金蝶を追って  相川英輔

黄金蝶を追って 相川英輔 竹書房文庫 kindle unlimited kindle unlimitedで、初読み作家の短編集。日々の暮らしの中に紛れ込んでくる不思議な事に戸惑ううちにいつの間にかそれを受け入れる。そして、自分が抱えていた心の疵をそっと手放して、癒されていく……

人はどう老いるのか  久坂部洋

人はどう老いるのか 久坂部洋 講談社現代新書 電子書籍 老いの真っただ中にいる私。「上手に楽に老いている人」と「下手に苦しく老いている人」がいるといううたい文句を見て、読んでみました。ざっくりまとめると…… ・老人の場合、身体の重症度と心の幸福度…

火星のオデッセイ/夢の谷  スタンリー・G・ワインボウム

火星のオデッセイ スタンリー・G・ワインボウム 大山優訳 グーテンベルグ21 電子書籍 夢の谷 スタンリイ・G・ワインバウム 奥増夫訳 青空文庫 私的火星シリーズでSFを読んでいます。ワインボウムの二作品は1934年に出版された短編SFです。ワインボウム自身…

深い疵  ネレ・ノイハウス

深い疵 ネレ・ノイハウス 酒寄進一訳 創元推理文庫 ドイツミステリ、オリヴァー&ピア・シリーズの三作目は、文庫本500頁越えの大作です。オリヴァーとピアをはじめ警察のメンバーとは顔なじみになったのですが、相変わらず登場人物の多さとなじみのない人名…

家康、江戸を建てる  門井慶喜

家康、江戸を建てる 門井慶喜 祥伝社 電子書籍 「どうする家康」というドラマを見た。史実に忠実でないという批判があるようだが、どうせフィクションなんだから、史実から乖離していてもいいじゃなの。 ドラマの方は、江戸に国替えをされた家康が利根川の治…

火定 澤田瞳子

火定 澤田瞳子 PHP文芸文庫 電子書籍 天平九年の天然痘流行を描いたパンデミック小説。(コロナ禍で話題になり購入したのに、読み忘れていた。) 施薬院と悲田院を舞台に、疫病の蔓延を食い止めようと力を尽くす人々を中心に描かれている。しかし貧しい民を…

火星年代記  レイ・ブラッドベリ

火星年代記〔新版〕 レイ・ブラッドベリ 小笠原豊樹訳 ハヤカワ文庫SF 電子書籍 私的火星シリーズでSFを読むにあたって、欠かせないのが『火星年代記』です。1950年に出版されていますが、私が読んだのは1960年代でした。中学生の頃か……あまりにも大昔の事な…

明治日本散策  エミール・ギメ

明治日本散策 東京・日光 エミール・ギメ フェリックス・レガメ(挿絵) 岡村嘉子訳 角川ソフィア文庫 Kindle unlimited パリ国立東洋美術館(前身はギメ宗教博物館)の創始者であったエミール・ギメが、明治9年に日本を旅した際の紀行文の新訳が、手に入り…

ヘーゼルの密書  上田早夕里

ヘーゼルの密書 上田早夕里 光文社 電子書籍 著者の上海シリーズは、『夢みる葦笛』の中の「上海フランス租界祁斉路三二〇」、『破滅の王』に続く三作目です。SF的な要素はすっかり消えて、骨太の歴史小説になっています。満州事変、上海事変を経て日中戦争…