2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧
私の名前はルーシー・バートン エリザベス・ストラウト 小川高義 訳 早川書房 電子書籍 普通の暮らしの中の断片的なエピソードを拾い上げるようにして,オリーヴ・キタリッジの長い人生を浮かび上がらせた『オリーヴ・キタリッジの生活』『オリーヴ・キタリ…
自分で名付ける 松田青子 集英社 電子書籍 妊婦さん,産婦さん,子育て中の人たちに絶賛お勧めです。 絶妙なジェンダー観で構成された短編『おばちゃんたちのいるところ』で,著者の立ち位置を好きになりました。 自分自身の事としてはすっかり忘れてしまっ…
声 アーナルデュル・インドリダソン 柳沢由実子訳 創元推理文庫 電子書籍 『湿地』『緑衣の女』に続く捜査官エーレンデュルの第三作(翻訳で)。前二作はアイスランドという見知らぬ国に対する興味に引っ張られたところがあった。人口三十五万の国とか家系図…
金の仔牛 佐藤亜紀 電子書籍 18世紀初頭のフランスで起きた金融バブル「ミシシッピ事件」を背景に,追剥,詐欺師,泥棒,胡散臭い貴族など怪しげな人々が繰り広げるマネーゲームだ。ミシシッピというほぼ実体のない会社の株券と,王立銀行が乱発する紙幣を売…
夏を殺す少女 アンドレアス・グルーバー 酒寄 進一 訳 創元推理文庫 電子書籍 オーストリアミステリだそうです。ほとんどの舞台はドイツ国内ですけどね。各地で起きた不審な事故死に見え隠れする少女を追うオーストリアの若い女弁護士エヴェリーンと,精神病…
とにかく散歩いたしましょう 小川洋子 文春文庫 電子書籍 連日の酷暑で,日課の散歩のモチベーションが保てないのです。何か参考になるかと思ったのですが,著者の散歩は愛犬のためとか。でも愛犬を失ってからも散歩の習慣を保っているそうです。犬のいない…
戦争は女の顔をしていない スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 三浦 みどり訳 岩波現代文庫 電子書籍 第二次大戦に従軍したロシアの女性たちの証言録。“証言文学”というそうだ。名もなき女性たちの生の声を紡いでいくことで,その時代を鮮明に描いている。50…