壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

虐殺器官 伊藤計劃

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虐殺器官 伊藤計劃
ハヤカワ文庫 2010年 720円

2007年の発表当初の高い評価は知っていたけれど、題名と表紙絵にビビッて読めませんでした。凄惨な場面の多い底の浅いエンターテインメントだったらいやだなあ、なんて思っていたのですが・・・・。文庫版を見つけて購入。

これは面白かった!好みです!
サイバーパンク系のSFで、主人公は米特務機関のいわば殺人マシーン。テクノロジーによって強化された身体の機能とその内省的な思考の奇妙なミスマッチが、「ぼく」によってナイーブに語られ、テロと内戦に満ちた世界が終末にたどり着くまでの過程(だと思うんです)が一種の哀しさをもって描かれています。

ゲームはまったくわからないので、『メタルギアソリッド***』はとばして、『ハーモニー』を借りてきました。長編は三作しかないんですね。大森望さんのあとがきの中の、お母さんの言葉を読んで、涙。