壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

招かれた天敵   千葉聡

招かれた天敵 生物多様性が生んだ夢と罠 千葉聡 みすず書房 図書館本 『歌うカタツムリ』と『進化のからくり』で、著者は研究対象である海洋島のカタツムリが絶滅の危機にあることに触れていた。生物農薬として持ち込まれた天敵が、その地の固有の生態系に大…

みずうみ  シュトルム

みずうみ シュトルムショートセレクション テオドール・シュトルム 酒寄進一訳 ヨシタケシンスケ絵 理論社 図書館本 世界ショートセレクションの二冊目はシュトルムの『みずうみ』。題名も作者も知っているので、昔読んだことがあるのだろう。しかし覚えがな…

にょろり旅・ザ・ファイナル  青山潤

にょろり旅・ザ・ファイナル 新種ウナギ発見へ、ロートル特殊部隊疾走す! 青山潤 講談社 ウナギのサンプリングに奔走する爆笑フィールドワーク『アフリカにょろり旅』『うなドン 南の楽園にょろり旅』 の三冊目にしてファイナルか。著者たちも偉くなって管…

空席/署長シンドローム  今野敏

空席 今野敏 隠蔽捜査シリーズ Kindle Single 署長シンドローム 今野敏 講談社 図書館本 移動図書館の棚で見つけた『署長シンドローム』は『隠蔽捜査』シリーズのスピンアウトらしい。読み始めて、無料で読んだ『空席』を思い出した。 『空席』 竜崎が大森署…

きみのいた森で  ピート・ハウトマン

きみのいた森で ピート・ハウトマン こだまともこ訳 評論社 海外ミステリーBOX 図書館本 移動図書館の児童書コーナーで見つけました。2019年エドガー・アラン・ポー賞児童書部門の受章作。ミステリとSFとファンタジーが混ざり合ったような意外な展開、さらに…

ディンマスの子供たち  ウィリアム・トレヴァー

ディンマスの子供たち ウィリアム・トレヴァー宮脇孝雄訳 国書刊行会 図書館本 トレヴァーの初期(1970年代)の長編で、ウィリアム・トレヴァー・コレクションの一冊。このシリーズは表紙に大好きなヴィルヘルム・ハンマースホイの絵が使われていて、ジャケ…

雑種 カフカ

雑種 カフカショートセレクション カフカ 酒寄進一訳 ヨシタケシンスケ絵 理論社 図書館本 理論社の世界ショートセレクションは、子ども(ヤングアダルト)向けとして編纂されているが、大人も楽しめそうだ。ヨシタケシンスケさんの絵が魅力的で、移動図書館…

愛と髑髏と  皆川博子

愛と髑髏と 皆川博子KADOKAWA 図書館電子書籍 一冊だけ読んだことのある著者だ。『倒立する塔の殺人』は理論社のヤングアダルト向きの作品で、戦時中のミッションスクールを舞台に、少女たちの集団生活の耽美と終戦という現実を緻密に描いたミステリだった。…

説教したがる男たち  レベッカ・ソルニット

説教したがる男たち レベッカ・ソルニット ハーン小路恭子訳 左右社 図書館本 『災害ユートピア』で出会ったレベッカ・ソルニットの著作は幅広い。面白そうな題名が目に留まった。『説教したがる男たち』(Men Explain Things to Me)。テーマはフェミニズム…

あがり 松崎有理

あがり 松崎有理 創元SF短編賞受賞作 電子書籍 第1回創元SF短編賞受賞作であり、著者のデビュー作。寝る前に SFが読みたくなって、寝ぼけて安い電子書籍を購入したら短編が一つだけだった。ホントは短編集を買うはずだったのに・・・松崎さんのファンだか…

間取りと妄想 大竹昭子

間取りと妄想 大竹昭子亜紀書房 図書館本 家という密閉された空間が妄想を醸し出すという趣旨の『屋根裏に誰かいるんですよ。』からの連想で見つけた。文学作品に登場する家の間取り図を扱った本はいくつかあるが、間取り図から生まれる小説というのは珍しい…

屋根裏に誰かいるんですよ。  春日武彦

屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理 春日武彦 河出文庫 電子書籍 ネット界隈で評判になり、二十数年前の本が復刊されたという。著者の『精神科医は腹の底で何を考えているか』を読んだ事がある。ずいぶんと率直に本音が語られている面白い本だっ…