壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

天と地の守人(一部・二部・三部)上橋菜穂子

天と地の守人(一部・二部・三部)上橋菜穂子
偕成社軽装版ポッシュ 2008年-2009年 各900円
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チャグム、ごめんね!祖国を救おうと、サンガルの暗い海に一人飛び込んだあなた『蒼路の旅人』を、一年近くも放っておいて。新ヨゴ皇国では、行方不明になったチャグム皇太子の葬儀が行われたけれど、私だってバルサと同じで、チャグムの死を信じはしませんでした。

自分の命をかけてチャグムを救おうとするバルサ。ロタ王国、カンバル王国を舞台に、祖国を救おうと実戦に加わり苦悩するチャグム。運命を淡々と受け入れるタンダ。これまでのすべての物語が合流して、壮大な結末に向かいました。チャグムが父帝と対峙する場面も圧巻で、こういう終わり方しかなかったんだと納得。

第一巻『精霊の守り人』から十巻まで、充分に楽しませていただきました。「もっと読みたい!」というような気持ちはなく、この終わり方で、大変満足しています。チャグムはまだこれから困難な道を歩いていかなければならないのはわかりますが、何とかうまくやっていくでしょう。バルサがタンダの家へ「おーい、かえったよ」という最後がいいですね。

『流れ行く者』はうれしいおまけとして、読みたいと思います。