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チョコレート・コスモス 恩田陸
角川文庫 2011年 820円
『
六番目の小夜子』『
夜のピクニック』とジャンルを同じくする青春物。恩田さんの他ジャンルの長編小説は苦手なものが多いのですが、やっぱり青春物はいいですね。是非お奨めしたい作品です。
演劇の世界を目指す少女たち(といっても二十歳前後)のオーディションという場でのバトルを描いて、劇中劇の巧みさが緊張感を生むのか、最後まで一気に読んでしまいました。サキの『開いた窓』、ウ
イリアムズの『
欲望という名の電車』の場面では、舞台上の芝居が目に浮かぶほど、迫力のある描写に引き込まれました。終わり方も過不足なく、私としては、続編は要らないかなと思ったのですが、連載中とか・・・・。