壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

猫のゆりかご カート・ヴォネガット・ジュニア

猫のゆりかご カート・ヴォネガット・ジュニア ハヤカワ文庫 1979年 600円 原爆を発明した科学者がアイスナインという物質をつくったとか、アイスナインが世界の滅亡にどうかかわっていたかとか、ボコノン教がインチキ宗教であるとか、なーんにも知らないで…

古道具 中野商店 川上弘美

古道具 中野商店 川上弘美 新潮社 2005年 1400円 「センセイの鞄」を図書館の本棚で探しましたが、あるはずもなく、こちらを借りてみました。 商店街にある古道具屋:中野商店でバイトをしているヒトミは、午後からはたいてい一人で店番をしている。店主の中…

猫のパジャマ レイ・ブラッドベリ

猫のパジャマ レイ・ブラッドベリ 中村融訳 河出書房新社 2008年 1800円 レイ・ブラッドベリの短編集。図書館で借りるとフィルムカバーで貼り付けられているので、猫耳付きの凝ったカバーがわからないのが残念です。 『序文―ピンピンしているし、書いている…

S倉迷妄通信 笙野頼子

S倉迷妄通信 笙野頼子 集英社 2002年 1900円 笙野頼子さんをむしょうに読みたくなることがあるのですが、図書館の棚の前でめげて、これを借りました。ほんとは「金毘羅」か「だいにっぽん~」を読むつもりだったのに・・、ちょっとエネルギー不足の毎日です…

御宿かわせみ33 小判商人 平岩弓枝

御宿かわせみ33 小判商人 平岩弓枝 新潮文庫 2008年 520円 気が付けばミステリが連続してしまったので、目先を変えて『御宿かわせみ』を選んだのですが、よく考えればこれもミステリでした(←あたりまえ)。殺人事件もなく、科学捜査(指紋も血液型もDNA)も…

百人一首 一千年の冥宮 湯川薫

百人一首 一千年の冥宮 湯川薫 新潮社 2002年 1800円 もう一冊ミステリが続きました。科学解説書「トンデモ仮説の世界」 を書いている竹内薫さんの別名で書かれたミステリ。「QED百人一首の呪」関連で見つけた本です。探偵役は『シュレ猫探偵団』の面々。団…

グルメ警部キュッパー フランク・ シェッツィング

グルメ警部キュッパー フランク シェッツィング 熊河浩訳 ランダムハウス講談社 2008年 950円 近頃マイブームの、コージー・ミステリとドイツが出会った作品を新着図書コーナーで見つけました。”いかにも”の題名とこの表紙の軽い感じのイメージ。さらにこん…

首無の如き祟るもの 三津田信三

首無の如き祟るもの 三津田信三 原書房 2007年 1900円 コージーなものが続いたので、そろそろ別のテイストのものが読みたくなりました。ホラー風味のおどろおどろしい題名は好みです。たまには図書館の予約の列に並んで人気のミステリを読もうとやっと廻って…

草の記憶 椎名誠

草の記憶 椎名誠 金曜日 2007年 1600円 最近嵌っているコージー・ミステリは女性を読者対象にした物語です。この方面にのめり込んでもいけないので(←別にいけないことはない)バランスをとろうと、男性読者が多そうな椎名誠さんの最近作を読んでみました。…

フクロウは夜ふかしをする コリン・ホルト・ソーヤー

フクロウは夜ふかしをする コリン・ホルト・ソーヤー 中村有希訳 創元推理文庫 2003年 920円 シリーズ三作目。高級老人ホーム『海の上のカムデン』でまた また連続殺人事件発生。今度の被害者は入居者ではありません。お年寄りはそれでなくても亡くなること…

古書店アゼリアの死体 若竹七海

古書店アゼリアの死体 若竹七海 光文社カッパノベルズ 2000年 880円 日本にもコージー・ミステリがあるのか検索したら、この本が引っかかってきました。 あらゆる不幸を立て続けに体験した相沢真琴は、全てを投げだし、葉崎市の海岸に辿り着いた。ところが、…

怖い絵 中野京子

怖い絵 中野京子 朝日出版社 2007年 1800円 題名だけみてホラーなのかと手に取れば、絵画の解説書でした。スプラッター系の見るからに怖い絵も、じっと見つめるとかすかに怖い絵もありますが、どこが怖いのかわからない絵も取り上げられています。 歴史的背…

パイの物語 ヤン・マーテル

パイの物語 ヤン・マーテル 唐沢則幸訳 竹書房 2004年 1800円 インドがらみのブッカー賞(2002年)というだけでなく、大好きな漂流物で動物物とあれば読まずにいられません。 父親の経営する動物園を見て育ったインドの少年パイは、動物行動学にとても詳しい…

氷の女王が死んだ コリン・ホルト・ソーヤー

氷の女王が死んだ コリン・ホルト・ソーヤー 中村有希訳 創元推理文庫 2002年 820円 「老人の生活と推理」に続く第二巻です。高級老人ホーム”海の上のカムデン“の中で繰り広げられる老婦人凸凹コンビ:小柄なアンジェラと大柄なキャレドニアは、元気いっぱい…

チェチェン やめられない戦争 アンナ・ポリトコフスカヤ

チェチェン やめられない戦争 アンナ・ポリトコフスカヤ 三浦みどり訳 日本放送出版協会 2004年 2400円 「廃墟の上でダンス」で描かれたチェチェンの状況をもう少し詳しく知りたくて選んだのは、ロシア人ジャーナリスト:アンナ・ポリトコフスカヤの本です。…

逃げてゆく愛 ベルンハルト・シュリンク

逃げてゆく愛 ベルンハルト・シュリンク 松永美穂訳 新潮クレストブックス 2001年 2000年 「朗読者」で知ったシュリンクの世界はこの短編集にもありました。ミステリ要素ばかりでなく滑稽味も加わって、様々な愛の形とその背景にある現代ドイツの状況が表現…

花粉の部屋 ゾエ・イェニー

花粉の部屋 ゾエ・イェニー 平野卿子訳 新潮クレストブックス 1999年 1500円 花粉症の最盛期には、こんな名前の本を読むのもつらいので、読むなら今かと、ドイツ文学のコーナーで見かけてなんとなく借りてみました。クレストブックとしてはずいぶんと薄い本…

匂いたつ官能の都 ラディカ・ジャ

匂いたつ官能の都 ラディカ・ジャ 森田義信訳 扶桑社セレクト 2005年 1100円 「匂い」という感覚を通して描かれる、現代世界文学の最前線、仏ゲラン賞受賞作。人並みはずれて鋭敏な「匂い」の感覚を持ったインド系の女性リーラが、異国の都パリで体験する、…

夜市 恒川光太郎

夜市 恒川光太郎 角川書店 2005年 1200円 一人企画「新刊本を読む」は終了しました。図書館の新着図書コーナーで、一目見ただけで手当たりしだいに借りてきた残りの新刊本は、シリーズの途中だったり苦手なタイプの本だったりで、そのまま返却します。 この…

異能の画家伊藤若冲  狩野博幸他

異能の画家伊藤若冲 狩野博幸他 新潮社トンボの本 2008年 1400円 近くの県立美術館の、所蔵する伊藤若冲の樹花鳥獣図屏風の特別展示を見に行く予定がありますが、ちょうど新着図書にこの本を見つけました。カラー図版が豊富で本文はQ&A式ですから、ほとんど…

死因不明社会 Aiが拓く新しい医療 海堂尊

死因不明社会 Aiが拓く新しい医療 海堂尊 講談社ブルーバックス 2007年 900円 題名につられて読みました。まだ読んだことのない海堂さんの新しいミステリかと手に取ったら、とても面白いノンフィクションでした。小説の主人公たちの掛け合いでわかりやすいも…

ダンシング・ヴァニティ 筒井康隆

ダンシング・ヴァニティ 筒井康隆 新潮社 2008年 1400円 筒井康隆の新刊です。もう連載を追いかけることもないし新刊を購入することもしませんが、元ファンとしては図書館でチェックしています。新たな実験小説のようで、どこまで読んだのか、どこから読んで…