2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧
ソーネチカ リュドミラ・ウリツカヤ 沼野恭子訳 新潮クレストブックス 2002年 1600円 ロシア版「女の一生」。本が好きなソーネチカは、どこといって取り得がないようだけれど、どんな状況にあっても「なんてしあわせなんでしょう」と感じることのできる特別…
下りの船 佐藤哲也 早川書房 想像力の文学 2009年 1600円 久しぶりに図書館の新刊本コーナーを漁っていて見つけた本。佐藤哲也氏の本は初めてです。「想像力の文学」というのと、冒頭の乾いた描写に惹かれました。 風が砂を追い立てる荒れ野の奥に、灰色の小…
ぼくが探偵だった夏 内田康夫 講談社ミステリーランド 2009年 2200円 「永遠の青年」である浅見光彦の少年時代の事件。『記憶の中の殺人』も少年時代に遭遇した事件でしたが、それに比べて本書はいたって軽い少年探偵物でした。今回のマドンナは転校生の本島…
身もフタもない日本文学史 清水 義範 PHP新書 2009年 700円 日本人がエッセイを書く時、女は清少納言に、男は兼好になる。「枕草子」のように自らのセンスを誇り、「徒然草」のように世の中を叱って己を自慢するのだ。 ・・・という内容紹介を見かけて、エッ…
いずれは死ぬ身 柴田元幸編訳 河出書房新社Modern & Classic 2009年 2200円 柴田さんのアンソロジー。「いずれは死ぬ身」という題名から連想されるものよりもずっと、ゆるいユーモアのあるものが多い。一つ一つはそれぞれに面白くても、バラエティーに富みす…
憑神 浅田次郎 新潮文庫 2007年 515円 幕末のこと、貧乏御家人の次男が、苦しい時の神頼みで古い祠に手を合わせたところ、霊験あらたかなことに、なんと貧乏神、疫病神、死神が現れて、次々と取り憑かれる。どうにもならない運命に、それでも必死に生きよう…
春にして君を離れ アガサ・クリスティー 中村妙子 早川書房クリスティー文庫81 2004年 600円 『スリーピング・マーダー』を読み、アガサ・クリスティーの面白さを再認識しました。クリスティー文庫100冊読破!・・・・なんていう気力は今のところ全くないの…