壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

白きたおやかな峰 北杜夫

用事があって急いで東京に向かう途中、静岡駅で右足捻挫。(あーあ、良いほうの足なのに。)何とか目的地にはたどり着いたものの、翌日、整形外科で「くるぶしを骨折」と言われギプスに松葉杖。一週間ほど東京の実家に居ますが、静岡の自宅に帰れるのは、もうあと一週間後。。。。。。。。読書三昧です!!!


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白きたおやかな峰 北杜夫
新潮社 1966年 490円

45年前に読んだ本を実家の物置で見つけました。先ごろ亡くなった北杜夫氏の代表作です。中高生の頃は、北杜夫の大ファンで1960年代までに出版された本はすべて読みつくしました。(それ以後は一冊も読んでいませんが。)本書『白きたおやかな峰』は、その中でも印象深い本でした。カラコルム遠征隊に加わった経験を元にした小説です。叙情的で静謐な文章が好きだったのですが、今読み返してみると、大げさな言い回しがちょっと引っかかります。が、最後は引き込まれて読みおえました。

こういう懐かしい本を読み返すと、あの当時、自分がどんなことを考えてこの本を読んでいたか?という事がけっこう気になります。北杜夫氏の著作の中で一番好きだったのが、『幽霊』。『人はなぜ追憶を語るのだろうか。・・・』という冒頭の文は今でも暗誦できるほどです。物置で見つけたのですが、読み返さないでおきたいと思います。思い出はそっとそのままに・・・。

北さん、ご冥福をお祈りいたします