壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

女中譚 中島京子

女中譚 中島京子 朝日新聞出版 2009年1400円 昔女中や女給やダンサーをしていたという九十歳のすみばあさんは、秋葉原のメイド喫茶にたむろして、自身のしたたかな人生を軽妙に語る。 昭和初期の「女中小説」をトリビュートした連作短編集だそうです。元の作…

ジャングル アプトン・シンクレア

ジャングル アプトン・シンクレア大井浩二訳 松柏社アメリカ古典大衆小説コレクション5 2009年 3500円 映画化に伴って再版されたシンクレアの『石油!』を読んだ後、食肉業界の実態を赤裸々に描いて世論を動かし、ルーズヴェルト大統領による食品薬品管理法…

人情裏長屋 山本周五郎

人情裏長屋 山本周五郎 新潮文庫 1980年 520円 山本周五郎作品は昔、新潮文庫でたくさん読みましたが、物置に残っていたのはこの一冊だけでした。処分する前に再読。片付けはいっこうに捗らない・・・。 「長屋」と言えば山本周五郎を思い出すくらい…

エッシャー宇宙の殺人 荒巻義雄

エッシャー宇宙の殺人 荒巻義雄 中公文庫 1986年 420円 昭和五十八年刊『カストロバルバ』の改題。 庭の物置にある多量の本の片付けを再開しました。原則として「B○○K○FF」か「古紙回収」かの「二択」を自分に課していますが、うまくいきません。「取って置…

ペンギンの憂鬱 アンドレイ・クルコフ

ペンギンの憂鬱 アンドレイ・クルコフ 沼野恭子訳 新潮クレストブックス 2004年 2000円 リュドミラ・ウリツカヤの「ソーネチカ」と「それぞれの少女時代」の沼野恭子さんの翻訳がとても読みやすかったので、現代ロシア文学に興味がわいてます。 キエフで新聞…

浮かれ黄蝶 御宿かわせみ34 平岩弓枝

浮かれ黄蝶 御宿かわせみ34 平岩弓枝 文春文庫 2009年 550円 江戸を舞台にした最後の「かわせみ」。第一巻から文庫本を購入するのが習慣になっているシリーズです。連載雑誌から一年少しで単行本が出て、さらに何年もたって文庫化されるので待ち遠しい思いで…

通訳ダニエル・シュタイン(上・下) リュドミラ・ウリツカヤ

通訳ダニエル・シュタイン(上・下)リュドミラ・ウリツカヤ 前田和泉訳 新潮クレストブックス 2009年 2000円・2200円 『ソーネチカ』 『それぞれの少女時代』と読んできたウリツカヤの最新翻訳です。一ヶ月遅れで出版された下巻が待ち遠しかったこと。 ポー…

ふたりのイーダ 松谷みよ子

ふたりのイーダ 松谷みよ子 講談社 2006年 1470円 子供たちに戦争を語り伝える「直樹とゆう子の物語」シリーズの第一作。1965年に書かれていますが、最近新装版が出ました。 広島県の祖父母の家に預けられた直樹とゆう子。直樹は古びた洋館にコトリコトリと…

くらのかみ 小野不由美

くらのかみ 小野不由美 講談社ミステリーランド 2003年 2100円 「ミステリーランドシリーズ」の二冊目は、小野不由美。(表紙は村上勉)。 のろいによって子供が育たないという山奥の旧家で、相続問題が話し合われました。それに絡んで不可解な未遂事件が起…

素数たちの孤独 パオロ・ジョルダーノ

素数たちの孤独 パオロ・ジョルダーノ 飯田亮介訳 ハヤカワepiブックプラネット 2009年 1800円 数学に並外れた才能を持つ少年マッティアと、片足の不自由な少女アリーチェ。ふたりはそれぞれに幼い頃の心の傷を抱えたまま成長し、出会って惹かれあうようにな…

あ 愛のひだりがわ 筒井康隆 アイの物語 山本弘 アウシュヴィッツは終わらない―あるイタリア人生存者の考察 プリーモ・レーヴィ クレア・キーガン 青いガーネットの秘密 奥山康子 青の美術史 小林康夫 青の物語 マルグリット・ユルスナール 青の歴史 ミシェ…

い イエメンで鮭釣りを ポール・トーディ 生ける屍 ピーター・ディキンスン イグアナの娘, 萩尾望都 イコン 今野敏 イザベラ・バード旅の生涯 O・チェックランド 遺失物管理所 ジークフリート・レンツ イスタンブール 思い出とこの町 オルハン・パムク いず…

う-お

う ヴァイオリン マルク・パンシェルル ヴァイオリンは語る ジャック・ティボー ウースター家の掟 P.G.ウッドハウス ヴィラ・マグノリアの殺人 若竹七海 ヴェネツィア暮らし 矢島翠 ヴェネツィアの宿 須賀敦子 ウェブログの心理学 山下 清美, 川上 善郎 , …

名探偵の掟 東野圭吾

名探偵の掟 東野圭吾 講談社文庫 1999年 590円 名探偵天下一大五郎と語り手である大河原番三警部が小説世界より飛び出しては、作者と 読者にいちゃもんをつけるドタバタ・メタ・メタ・ミステリ。 安易に使われる密室や時刻表トリックをわらい、探偵の類型的…

レキシントンの幽霊 村上春樹

レキシントンの幽霊 村上春樹 文藝春秋 1996年 1200円 『回転木馬のデッド・ヒート』に続き、これも古めの短編集。長い間積読していたのに突然読みたくなりました。どれも面白かった。七編のうち『沈黙』と『七番目の男』は不思議風味がほとんどなく、ストレ…

回転木馬のデッド・ヒート 村上春樹

回転木馬のデッド・ヒート 村上春樹 講談社 1985年 1400円 かなり昔の短編集ですが、昨今の事情で増刷されたのか、図書館の新着図書棚で見つけました。 『はじめに・回転木馬のデッド・ヒート』納められている物語はすべて、人から聞いた話しを熟成させて文…

棄霊島(上・下) 内田康夫

棄霊島(上・下) 内田康夫 祥伝社 2008年 各890円 浅見光彦100番目の事件。 五島列島取材中に知り合った元刑事が御前崎で遺体となって発見された。三十年前、長崎県の軍艦島での変死事件と関係があるらしい。 百番目とあってか、事件の舞台は、愛知、新潟、…

悪魔の種子 内田康夫

悪魔の種子 内田康夫 幻冬舎 2005年 1700円 浅見光彦99番目の事件。(99ってすごいけど、きっと半分ぐらいは読んでます) 花粉症緩和米は遺伝子組み換え食品なのか医薬品なのか、そのビジネス化を巡って、秋田と茨城の二件の殺人が起きる。 西馬音内盆踊りの…

めぐりめぐる月 シャロン・クリーチ

めぐりめぐる月 シャロン・クリーチ もきかずこ訳 講談社ユースセレクション 1996年 1600円 アメリカの児童文学です。 祖父母とともに、オハイオからアイダホまで3000キロのアメリカ横断ドライブに出かけた、アメリカインデアンの血をひく13歳の少女サラマン…

それぞれの少女時代 リュドミラ・ウリツカヤ

それぞれの少女時代 リュドミラ・ウリツカヤ 沼野恭子訳 群像社 2006年 1800円 インターネットがつながらなかったり何やかやで、ずいぶん久しぶりの更新になりました。その間、突然のぎっくり腰で二、三日ほぼ寝たきり状態となり、おかげで本はたくさん読め…