2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧
いろいろな幽霊 ケヴィン・ブロックマイヤー 市田泉訳 東京創元社 海外文学セレクション 図書館本 『終わりの街の終わり』も幽霊の長編だったが、この短編集は、各話2頁ほどのショートショートが100話。すべて幽霊にまつわる話だが、バラエティがあり過ぎて…
ある晴れたXデイに カシュニッツ短編傑作集 Der Tag X und Andere Geschichten マリー・ルイーゼ・カシュニッツ 酒寄進一訳 東京創元社 図書館本 『その昔、N市では』に続く、酒寄さん編纂のカシュニッツ第二短編集。前編より怪奇幻想風味が少なく、人間心…
ミライの源氏物語 山崎ナオコーラ 淡交社 図書館本 『香子--紫式部物語』を読み終わって返却した図書館で見つけた『ミライの源氏物語』。1000年前の小説を現代的な視点で読むことについてのエッセイだった。 『源氏物語』を読むとき、ついうっかり現代的な視…
むしろ、考える家事 山崎ナオコーラ KADOKAWA 図書館電子書籍 忘れた頃に予約が回ってきた本。家事はさっさと手早く済ませてしまうものというネガティブさを取り払い、家事をポジティブなものにしていくという視点のエッセイ。著者とは年代も時代も違うから…
闇の中をどこまで高く セコイア・ナガマツ 金子浩訳 東京創元社海外文学セレクション 図書館本 致死的な感染症が蔓延する世界で、人々はどう生きていくのか。いくつもの短編が重なるような形で、家族や友人への喪失の痛みが、静かに抒情的に描かれている。舞…
婿どの相逢席 西條奈加 幻冬舎 図書館本 図書館に返した後で、もう内容を忘れてる。 ホンワカ人情時代物。小店の四男坊鈴之助が、大店の跡取り娘お千瀬に望まれて婿に入った。お千瀬は美人で気立てがいい。ところが、入り婿先の仕出し屋は女系で、店の仕事は…
恐るべき緑 ベンハミン・ラバトゥッツ 松本健二訳 白水社EXLIBRIS 図書館本 ノンフィクションとフィクションの混合物はフィクションなのだろう。歴史/時代小説で史実とフィクションが混ざり合うのは当たり前だが、サイエンス分野でのフィクションもそう珍し…
香子(五) 紫式部物語 帚木蓬生 PHP研究所 図書館本 やっと最終巻にたどり着いた。発売から図書館本として登録/貸出されるまで一か月以上かかって、やっと借りることができた真新しい本! 作中作としての『源氏物語』は「早蕨」から「夢浮橋」までで、宇治…
花散る里の病棟 帚木蓬生 新潮社 図書館本 小説新潮に、2012年から2021年まで、十年に渡って連載されたという。町医者として四代続く家族と、時代と医療の変遷を描いた十話の連作短編だ。時代と語り手が交互に入れ替わるので、全体像をつかもうと、気合いを…
災害ユートピア なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか レベッカ・ソルニット 高月園子訳 亜紀書房 図書館本 以前から読みたいと思っていた本の増補版が出ていて、チャンスと思って読み始めた(2010年翻訳の増補版、原書は2009年、原題は、『A Paradise …