壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

真夏の方程式 東野圭吾



夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。

湯川と少年の心温まる交流、柔らかな語り口と、夏休みの課題図書でもいいんじゃないかと思うくらいでしたが、そうなると結末は微妙。犯行は理系トリックとはいえないくらい単純なんですが、浜辺の自由研究ではガリレオの面目躍如というところかな。

作家生活25周年とかで、今年は『麒麟の翼』、『本書』、『マスカレード・ホテル』が刊行されています。こういう人気本は、図書館では予約が数百人待ちでとても借りられないんですが、90歳になる父がすっかり東野ファンになったらしく、新刊を買ってきます。多謝。