壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

村田エフェンディ滞土記 梨木果歩

留守の間にありったけ伸びた雑草に、草取りをする気力も失せました。用事をいちおう片付け、撮り溜めてあったTV番組も見終わりました。このところの暑さでパソコンが発熱?し、危篤状態。では、本でも読もうか・・・・と、このごろ、読書の優先順位がかなり低いです。
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村田エフェンディ滞土記 梨木果歩
角川書店 2004年 1400円

『家守奇譚』の綿貫の友人で、土耳古(トルコ)に留学中の村田。彼の土耳古滞在記です。文化研究のため招聘された村田は、イギリス婦人の屋敷に下宿して、考古学者で独逸人のオットー、希臘人ディミトリスという下宿人たち、下働きの土耳古ムハンマド(そしてムハンマドに拾われた鸚鵡)と、楽しくも不思議な異文化交流を行います。

異教の動物神たちも、屋敷の壁の中でやはり交流している様子。やがて村田らは、世の中の大きな動きに押し流されて、それぞれの運命をたどります。鸚鵡のもったいぶった啼き声がなんとも滑稽で、しかも悲しみを誘うという、巧い小道具として使われています。