壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

消された科学史

消された科学史 O.サックス、S.J.グールド、D.ケヴレス、J.ミラー、R.C.ルーウォンティン 渡辺政隆 大木奈保子訳 みすず書房 1997年2200円 無意識を意識する ミラー 梯子図と逆円錐形図―進化観を歪める図像 グールド 嫌われものを追う―がんとウイルスと勇気…

科学哲学の冒険

科学哲学の冒険 サイエンスの目的と方法をさぐる 戸山田和久 NHKブックス 2005年 1120円 著者の擁する科学的実在論は、多少なりとも自然科学をかじったものとしては、すんなりと受け入れることのできる哲学的立場です。素朴な科学的実在論しか理解してい…

なつかしく謎めいて

なつかしく謎めいて アシュラ K ル グィン 谷垣暁美 訳 河出書房新社 2005年 1600円 原題はChanging Planesで空港での飛行機乗り換えと次元をかけたもので、次元間旅行で訪れたさまざまな世界の話。典型的なSFであっさりと読めてしまうのですが、そこにはル…

オールウェイズ・カミングホーム

オールウェイズカミングホーム(上 下) アーシュラ K ル グィン 星川淳 訳 平凡社 1997年 各2800円 数万年後の未来の考古学を専攻している文化人類学者が、まだ存在していない言語を翻訳したテキストや作品などの集大成。ケシュ文化の詩や歌や物語を読んで…

善意の殺人

善意の殺人 Excellent Intentions リチャード ハルHull, Richard 森 英俊 訳 原書房2006年 2200円 戦前のイギリスの推理小説で、「伯母殺人事件」が有名な作家だそうですが、記憶にありません。何故か今頃、翻訳が一冊だけ出ました。著作権が切れたからなの…

図書館は本をどう選ぶか

図書館はどう本を選ぶか 図書館は本をどう選ぶか 安井一徳 勁草書房 2006年 2100円 日本の公共図書館での、本を選ぶ基準はなにか、という議論です。たまたま、思いがけずおもしろい本を、いきつけの図書館で見つけたとき、この本は誰かがリクエストしていれ…

オアハカ日誌

オアハカ日誌 オアハカ日誌 Oaxaca Journalメキシコに広がるシダの楽園 オリヴァー・サックス 林 雅代訳 早川書房 2004年1800円 サックスはシダ植物愛好家たち十数名とツアーを組んで、メキシコオアハカ州に10日間の旅に出ます。ミクロネシアの旅(色のない島…

ギフト 西のはての年代記Ⅰ

ギフト Gifts 西のはての年代記Ⅰ アーシュラ・K・ル グウィン 谷垣 暁美訳 河出書房新社 2006年 1600円 ル グウィンの最新刊です。西のはての年代記三部作の初巻で、Voices、Powersと続くそうです。無駄のない文章に、イメージがどんどん広がっていきます。…

手話の世界へ

手話の世界へ Seeing Voices オリバー・サックス 佐野正信訳 晶文社 1996年 手話が単なる口語言語の逐語翻訳ではなく、もっと自由で奥深いもので、独立した言語体系を持つのだという説明でした。手話についての知識が全くないので、どのような言語体系な…

サックス博士の片頭痛大全

サックス博士の片頭痛大全 オリヴァー・サックス 著、春日井 晶子・大庭 紀雄 訳 早川書房 軽い片頭痛持ちとして、前から読みたいと思っていたのですが、これは医学エッセイの枠を超えています。片頭痛の症例を細かく分類して、片頭痛に伴う視覚異常や麻痺が…

色のない島へ

色のない島へ オリバー・サックス 脳神経外科医のミクロネシア探訪記 The Island of the Colorblind 大庭紀雄監訳 春日井晶子訳 早川書房 1995年 2100円 サックスの「火星の人類学者」では、後天的に色覚を失った画家の、自己受容と内的世界の変容について書…