2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧
ああ、ウィリアム! エリザベス・ストラウト 小川高義訳 早川書房 図書館本 作家であるルーシー・バートンは二番目の夫を亡くしたが、前夫ウィリアムとの友人関係はそのままだ。ウィリアムの亡き母キャサリンの秘密を知ったウィリアムは、母の故郷であるメイ…
ある男 平野啓一郎 Audible 耳からの読書ではあるが、初読みの平野啓一郎作品。夫を亡くした女性から相談を受けた弁護士の城戸の目線で物語が進行していく。事故死した夫の死後に、夫が全くの別人であることが判明し、誰と結婚していたのかと戸惑う女性から…
人間の彼方 ユーリ・ツェー 酒寄進一訳 東宣出版 図書館本 ロックダウン下のドイツでベストセラーになった小説。コロナは背景であり、書かれているのは人間そのものです。日常が姿を変えたときに人間の本質があぶりだされていくというのが,パンデミック小説…
きたきた捕物帖 子宝舟 きたきた捕物帖2 PHP研究所 図書館本 宮部みゆきの時代物には依存性があるようです。昨年末に読んだ『ばんば憑き』に続き、新しいシリーズの捕物帖を読み始めました。 主人公の北一は気弱な一六歳。三歳の時に迷子になって千吉親分に…
火星にいった3人の宇宙飛行士 ウンベルト・エーコ E・カルミ 絵 海都洋子訳 六曜社 図書館本 火星を舞台にしたSF小説は1960年代前後にたくさん出ています。前回読んだ『火星のタイム・スリップ』は1964年でした。この時代、ウンベルト・エーコさえ、火星に行…
火星のタイム・スリップ フィリップ・K・ディック 小尾芙佐訳 早川書房 電子書籍 火星の話をたくさん読んできたが、今世紀に近くなると、多くはテラフォーミングされた火星に集団移住している。しかし1980年代以前の火星は、薄い空気があって呼吸ができ、原…
可燃物 米澤穂信 文藝春秋 Audible お試し期間のAudible で聴いた8時間30分。活字で読めば半分以下の時間で読めるだろう。先が早く知りたくてKindleを探したが、まだ高いのであきらめて耳から聞いた。2倍速という手もあるが、耳からの情報処理能力が低いの…
ハヤブサ消防団 池井戸潤 集英社 Audible 初の池井戸潤で、初のAudible 。朗読がとても上手だったのと、会話文が多くて、耳からの情報が理解しやすかったため、最後まで聴き終えることができた。そして何よりも面白かったのが、都会の者が初めて田舎で暮らす…
稚児桜 能楽ものがたり 澤田瞳子 淡交社 図書館本 能楽を下敷きにした八編の物語。テレビでしか能を見たことが無い(それも何回か)ので、能の原曲との関連を推し量る事さえできない。あらすじをネットhttps://noh-sup.hinoki-shoten.co.jp/で確かめただけだ…
我らが少女A 髙村薫 毎日新聞出版 図書館本 12年前に未解決となっていた殺人事件が、一人の女の死をきっかけに動き出した。合田雄一郎シリーズの六作目の舞台は、野川公園を囲む狭い地域で、登場人物もごく少ない。12年前の殺人事件の捜査に参加していた合田…
ばんば憑き 宮部みゆき 角川書店 図書館本 移動図書館の棚で見つけた短編集。宮部みゆきの時代物を読むのは十数年ぶりです。不思議でほんのり怖くて面白い六篇。宮部さんの描く子供たちに心惹かれます。 「坊主の壺」 江戸も終わりの頃、コロリで親兄弟を亡…
ハイランド・クリスマス M・C・ビートン ゴシップ屋の死 マクベス巡査シリーズ1 M・C・ビートン 松井光代訳 文芸社 Kindle unlimited クリスマスまでに読み切れなかった『ハイランド・クリスマス』は英国のベストセラー作家によるコージーミステリです。ハイ…