壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

海外文学

コリーニ事件  フェルディナント・フォン・シーラッハ

コリーニ事件 フェルディナント・フォン・シーラッハ 創元推理文庫 電子書籍 短編集を二冊読んで,やっとシーラッハの第三作『コリーニ事件』にたどり着いた。長さから言えば長編というより中編だが,中身がずっしりと重い大作だった。 新米弁護士のライネン…

罪悪  フェルディナント・フォン・シーラッハ

罪悪 フェルディナント・フォン・シーラッハ 酒寄進一訳 創元推理文庫 電子書籍 第一短編集『犯罪』に続く短編集。『犯罪』は罪を犯さざるを得なかった被告人たちの哀しみが描かれた感動作が多かったが,同じようなものを求めていた第二短編集への予想は見事…

夜来たる  アイザック・アシモフ

夜来たる アイザック・アシモフ グーテンベルク21 電子書籍 アシモフの初期短編集で3編の短い作品が入っていました。長編を読む気力の無い時には100頁ばかりの300円弱の本だと読み始める気になります。でも,読み終わってちょっと短すぎて物足りないという我…

愛の探偵たち アガサ・クリスティー

愛の探偵たち アガサ・クリスティー 宇佐川晶子訳 ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 電子書籍 最近の長いミステリ小説を持て余して,古めかしいミステリ短編を読み始めました。マープル,ポアロ,クィンたちの8つの短編集です。未読の短編のはずでしたが,クリ…

テムズ川の娘  ダイアン・セッターフィールド

テムズ川の娘 ダイアン・セッターフィールド 高橋尚子訳 小学館文庫 電子書籍 19世紀のイギリス,テムズ川で仮死状態で見つかった少女の身元をめぐる人々の物語。その少女は裕福な実業家の行方不明の娘なのか,複雑な出自の黒人農園主の孫なのか,牧師館の家…

夜の声  スティーヴン・ミルハウザー

夜の声 スティーヴン・ミルハウザー 柴田元幸 訳 白水社 図書館本 『ホーム・ラン』に続く短編集。8つの作品はどれも「ミルハウザー」としか言いようがない。図書館の返却期限が今日までなので急いで読んだことが残念。メモだけ取っておこう。 「ラプンツェ…

憂鬱な10か月  イアン・マキューアン

憂鬱な10か月 イアン・マキューアン 新潮クレストブックス 電子書籍 妊婦さんにはお勧めできません(笑)。胎児が饒舌に語り尽くす,母親と愛人による父親殺し。 扉のエピグラフにハムレットからの引用があるので,なるほどとは思う。母親の愛人が父親の弟,…

メイドの手帖 ステファニー・ランド

メイドの手帖 ステファニー・ランド 村井理子訳 双葉社 図書館本 シングルマザーとして貧困の中で幼い娘を育てたステファニー・ランドの手記。高等教育を受けられないままシングルマザーになり,28歳で母娘はホームレスシェルターで暮らした。そこから抜け出…

原野の館  ダフネ・デュ・モーリア

原野の館 ダフネ・デュ・モーリア 務台夏子訳 創元推理文庫 電子書籍 デュ・モーリアの初期の長編で今年,新訳版がでました。かつては『埋もれた青春』という題で邦訳され,ヒッチコックの『巌窟の野獣』として映画化された作品だそうです。 母を亡くして身…

火星の砂  アーサー・C・クラーク

火星の砂 アーサー・C・クラーク 平井イサク訳 早川書房 電子書籍 『火星○○』三冊目です。火星から戻ってこられません。昨今は火星探査で米中が競争していて,どこの国が一番早く火星の岩石サンプルを持ちかえるのでしょうか。かつてはSFでのみ到達可能であ…

火星人ゴーホーム  フレドリック・ブラウン

火星人ゴーホーム フレドリック・ブラウン 稲葉 明雄訳 グーテンベルク21 電子書籍 火星のプリンセスを読んだついでに,もう一つ火星物。70年前に書かれたドタバタブラックコメディ風のSFですから古めかしい所はあるのですが,現代的な解釈をするとコロナで…

火星のプリンセス  エドガー・ライス・バローズ

火星のプリンセス エドガー・ライス・バローズ 厚木淳 訳 創元SF文庫 電子書籍 100年以上も前に書かれたスペース・オペラの原点といわれるSF小説です。初版が1917年ですが,日本で翻訳出版されたのは1965年でした。その時中学生だった私はこのシリーズの文庫…

ベイカー街の女たち ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿1  ミシェル・バークビイ

ベイカー街の女たち ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿1 ミシェル・バークビイ 駒月雅子 訳 角川文庫 電子書籍 世の中にシャーロック・ホームズのパスティーシュはたくさんあります。小説に限らず,映画やドラマも数多く見ました。その中でも本…

犯罪  フェルディナント・フォン・シーラッハ

犯罪 フェルディナント・フォン・シーラッハ 酒寄進一訳 創元推理文庫 電子書籍 現役の刑事弁護士が書いたミステリとして話題になったときに読み逃していた以来。物語の語りと筋運びが独特で,事実を淡々と報告しているように見えるが,罪を犯した,いや犯さ…