壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

白雪姫には死んでもらう  ネレ・ノイハウス

白雪姫には死んでもらう  ネレ・ノイハウス

酒寄進一訳    創元推理文庫

ドイツミステリ、オリヴァー&ピア・シリーズの四作目は、さらに厚くなって文庫本570頁。題名もキャッチ―だが、これは原題Schneewittchen muss sterbenに近い。 

11年前の少女連続行方不明事件の被害者の一人の白骨遺体が見つかった。同時に犯人とされた男が10年の刑期を終えて村へ戻ってきた。彼は冤罪を主張するものの、事件当時の記憶を失っていた。それをきっかけに、新たな事件があちこちで起きる。田舎の村を舞台に、閉鎖的で濃密で、複雑な人間関係を持つ村民たちが、自分勝手な嘘で固めた証言と行為を繰り返す。間に挟まれた犯人らしき人物の独白もあって、ほとんど全員が怪しい状態だ。

肝心なオリヴァー警部は、家庭の事情により、今回はかなりのヘタレだった。(しっかりしろ!と言いたい。)捜査チームのベーンケは病欠だが、仮病らしく、ハッケ警部も病気休暇中で、優秀なピアは大忙しだ。容疑者が多すぎて、警察の人手が足りない。最後には派手なカーチェースもある。

四作目でドイツ名に慣れてきたせいか、一気に読み進めることができた。複雑な人間関係を描いてはいるが、人間性に対する洞察というような重厚なものではなくて、どちらかと言えば、わかりやすい勧善懲悪的だ。エンタメ要素の強いミステリだが、シリーズ順に読む方が楽しめそうだ。