壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

シャーロック・ホームズの建築 北原尚彦

シャーロック・ホームズの建築 北原尚彦 文  村山隆司 絵・図

エクスナレッジ  図書館本

シャーロック・ホームズの正典に登場する建築の間取り図が17載っている。ホームズのミステリに出てきた密室で覚えているのは、『まだらの紐』と『恐怖の谷』くらいだと思うので、密室トリックに限定しているわけではなかった。事件が起きた現場の館の外観スケッチと詳しい間取り図が素晴らしい。著者はプロのシャーロッキアンなので、正典の読み込み方が半端ない。ミステリの内容はほとんど忘れていたので、ネットで確認しながら読んだ。

イカー街221Bはドラマや映画に出てくるが、間取り図を見て、なるほどリフォームされていたのか。『ノーウッドの建築業者』の隠し部屋はこんなに狭かったのか。『マスグレイヴの儀式書』では、あの暗号で地下室にたどり着けるのだろうか。コナン・ドイルに疑義を挟んでいる部分は、シャーロキアンにとっては常識らしいが、あくまでも正典を正典として尊重するべく頑張って辻褄を合わせている。

ミステリと建築というテーマの本が他にもあるのだろうかと検索した。出版されたばかりで図書館にはまだなかった。『ミステリな建築 建築なミステリ』はそのうち借りよう。

不動産ミステリという分野の『変な家』は読んだ。

ミステリに限らず、小説の中の、家や間取り図に対する興味は尽きない。昔読んだ本を書棚から探した。『名作文学に見る家』の二冊は、たまに読むと面白いので、処分せずにいる。『まだらの紐』の家の間取り図がここにも載っていて、上記の本の図とよく似ている!