壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

エッシャー宇宙の殺人 荒巻義雄

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エッシャー宇宙の殺人 荒巻義雄
中公文庫 1986年 420円
昭和五十八年刊『カストロバルバ』の改題。

庭の物置にある多量の本の片付けを再開しました。原則として「B○○K○FF」か「古紙回収」かの「二択」を自分に課していますが、うまくいきません。「取って置きたい」という気持ちを整理するため、何冊かは再読してメモを取った後に処分することにしました。いつになったら片付くことやら。

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大小さまざまな爬虫類が徘徊する『カストロバルバ』の街には『蜥蜴』タクシーが走っている。探偵万治陀羅男が宿泊している赤騎士館は『上と下』のような造りの下宿屋。カストロバルバ銀行のロビーは『相対性』のように重力面が三つ存在する。寓意的解釈を拒んでいるエッシャーの絵を、何がなんでも無理やり精神分析的解釈をして、はたまた隠された錬金術思想まで読み取ってしまうところがなんとも面白い。

物見の塔の殺人:『物見の塔』から阿呆鳥男爵が墜落死した事件。

無窮の滝の殺人:『水車のある建物』に住む錬金術オーガスチンが密室で死んでいた事件。

版画画廊の殺人:『版画画廊』での狙撃未遂事件。

球形住宅の殺人:『メタボリズム』区にある『バルコニー』をもつ娼家で客が爆死した事件。

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これはかなり古い本なのでB○○K○FFに寄付かな^^。それぞれの絵にリンクを貼ろうと思いましたが、だんだん面倒くさくなってやめました。