壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

古書店アゼリアの死体 若竹七海

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古書店アゼリアの死体 若竹七海
光文社カッパノベルズ 2000年 880円

日本にもコージー・ミステリがあるのか検索したら、この本が引っかかってきました。
あらゆる不幸を立て続けに体験した相沢真琴は、全てを投げだし、葉崎市の海岸に辿り着いた。ところが、なんと身元不明の死体をみつけてしまう!
所持品から、その死体は葉崎の名門・前田家の失踪中の御曹司・前田秀春である可能性が浮かぶ。しかし、秀春の失踪には、きな臭い背景が…。
そんなさなか、ロマンス小説専門の古書店アゼリアを経営する前田紅子と知り合った真琴は、紅子が入院する間、アゼリアの店番を頼まれたのだが…。
真琴は次なる死体と遭遇することに!絶妙な語り口と濃厚なミステリの味付け!芳醇なるコージー・ミステリの絶品
で、若竹七海さんの作品は初めてです。「古書店」に『読みたいメーター』の針が反応するので、早速図書館へ。

探偵役はいちおう駒持警部補なんですが、名探偵級の主役でもないし、やはり相沢真琴が主役かなと思いつつも、前田紅子の強烈キャラクターの前にかすんでしまいます。叙述の視点があちこち飛ぶので、軽いユーモア小説のわりに読むのに時間がかかりました。主役はロマンス小説ということにしておきましょうか。

ロマンス小説って、ゴシックロマン、カテゴリーロマンスなど、サブジャンルがいろいろあるんだそうです。巻末に前田紅子が解説しているロマンス小説の解説がありますが、「レベッカ」「嵐が丘」くらいしか読んだことがないので、ピンと来ません。

舞台は葉崎町の東銀座商店街で、登場人物のほとんどが、親類、ご近所、同窓生とありったけ狭いコミュニティーです。犯行の動機が主なミステリ部分なのですが、最後まで二転三転したので、読み終わって二、三日で詳細を忘れてしまいました。それくらい気楽に楽しめたということです。若竹さんのコージー・ミステリ第二作というのですが、シリーズになっているのかしら。

行きつけの図書館が今週から二週間の長期休館に入り、図書館の電算システム更新のため、蔵書検索も予約もできず、貸し出し期限が三週間になりました。本日限りのバーゲンセールのような気がして、めいっぱい本を借りてきましたが、冷静になってみれば、そんなに借りなくてもいいはずです。うちの本棚の在庫整理をするチャンスだったのに、つい借り漁ってしまいました。