壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

御宿かわせみ33 小判商人 平岩弓枝

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御宿かわせみ33 小判商人 平岩弓枝
新潮文庫 2008年 520円 

気が付けばミステリが連続してしまったので、目先を変えて『御宿かわせみ』を選んだのですが、よく考えればこれもミステリでした(←あたりまえ)。殺人事件もなく、科学捜査(指紋も血液型もDNA)もなく成立するミステリは心地よいものです。

第一巻から欠かさずに読んでいるのに、前に出てきた話や人物をすっかり忘れていました。ちょっとがっかりですが、ネットを探すと全作品の解説が読めるので、もう安心して忘れられます。

『稲荷橋の飴屋』かわせみの女中お石の代わりに、お晴がやってきた。千春のお供をして出かけた先の稲荷橋で、飴屋を営む老女に出会う。勘の良いお晴はこの先もっと活躍しそうです。

『青江屋の若旦那』塗物問屋青江屋の若旦那成太郎は腹違いの弟好吉に家督を譲ろうとしている。実は仲の良い兄弟だった。

『明石玉のかんざし』るいの、亡き母の形見の珊瑚かんざしにまつわる話。家を捨てた息子が母に会いに帰ってきた。

『手妻師千糸大夫』麻太郎と源太郎は、千春に頼まれて評判の手妻師千糸大夫の舞台を調査しに行った。そこで二人は大活躍? 滝の白糸という手妻はお吉じゃなくたって私だって見たい!

文三の恋人』あの水売りの文三は、名人庭師彦右衛門の弟子となっていた。腕を見込まれていたのに。おるいさんの勘が冴える。

『小判商人』 長寿庵の隣の質屋に泥棒が入った。盗まれた品物の中に洋銀が入っていたことから、麻太郎と源太郎がまたまた大活躍。東吾様も鉄砲をズドン。

『初卯まいりの日』千春は招き猫の描かれた絵馬がお気に入り。若い絵師と生き別れた母の物語。

すっかり大きくなった麻太郎と源太郎の活躍が目立ちます。おるいさんも東吾様もそれなりに年を取ったのでしょうが、私の頭の中では、今だに真野さんと小野寺さんのカップルが浮かびます。あともう少しで明治です。