壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

きたきた捕物帖 / 子宝舟  宮部みゆき

きたきた捕物帖   

子宝舟 きたきた捕物帖2  

PHP研究所  図書館本

宮部みゆきの時代物には依存性があるようです。昨年末に読んだ『ばんば憑き』に続き、新しいシリーズの捕物帖を読み始めました。

主人公の北一は気弱な一六歳。三歳の時に迷子になって千吉親分に拾われ、親分の亡き後、周囲の人々に助けられながら謎解きをはじめていく成長物語です。相棒はやはり身寄りのない喜多次で、きたきた捕物帖。宮部さんの時代物にハズレはありません。夢中で二冊続けて読んでしまいました。二冊目の最後で犯人と思しき人物が逃亡しているので、続編は間違いないでしょう。

舞台は深川。深川と言えば『本所深川ふしぎ草紙』から始まるシリーズの本所回向院の茂七が思い出されます。シリーズは全部読んだような気がするのですが、定かではありません。宮部みゆきの文庫本を売ってしまった今となっては、思い出すよすががありません。高橋英樹主演のNHKドラマの印象が強くて記憶が混乱しています。

江戸時代のいつ頃なのかは特定できませんが、茂七の跡を継いだ政五郎が顔を見せますし、『ぼんくら』のおでこさんが北一のブレインになってくれました。『初ものがたり』の稲荷ずし屋と関連があるとか、未読の『桜ほうさら』で出てきた場所だという情報に心踊らされて、宮部みゆきの時代物を図書館に予約しました。