壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

密室収集家 大山誠一郎

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密室収集家 大山誠一郎
2012年 原書房 1600円

本格といわれる分野のミステリが5編。ずいぶん前に返却したので、細部は思い出せないが、年代だけはメモしておきました。

『柳の園』1937年
『少年と少女の密室』1953年
『死者はなぜ落ちる』1965年
『理由ありの密室』1985年
『佳也子の屋根に雪ふりつむ』2001年

60年以上にわたって、どれも同じ「密室収集家」という探偵が現れては、あっという間に密室の謎を解いてしまう。探偵さんは年をとらない・・・っていうのは、よくあることで、まったく年をとらない「密室収集家」とは何処の誰なのか?なんてことはどうでもいいのであって、ただひたすらに密室の謎がロジカルに解かれる点が強調される。密室の物理的な仕掛けではなくて、叙述に仕掛けがある。

うすぼんやりの読者としては、謎ときについて行くのが精いっぱい。言われてみればそうその通りで、よくできた密室だと思う一方で、そんなに都合のいいことってあるのお~とも思う。が、舞台となる時代の雰囲気がよく出ていて、(解決も早くて)飽きませんでした。