壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

赤い猫 二木悦子

赤い猫 二木悦子

講談社文庫  電子書籍

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二木悦子の後期の短編が6編。前半3編がアームチェアディテクティブ,中3編が二木兄弟シリーズで昭和50年代に書かれたもの。昭和の香りのコージーミステリと言ったらいいのでしょうか,殺人事件を扱いながらも話の展開は柔らかくて,でもけして単調ではないどんでん返しがあったりします。ほとんどが会話で進行する話や,探偵役が一人語りする筋なので読みやすいし,嫌なことが起こりそうもない,心配せずに楽しめるミステリーでした。寝る前読書にピッタリ。

 

あの頃の二木悦子の活躍はよく知っていましたが,ミステリーを読んだのはたぶん初めてです。二時間ドラマになっていたのは見たことがあるのかもしれません。電子書籍のバーゲンセール(?)で,二木悦子のミステリーデビュー作も見つけたので読みます。

 

『赤い猫』 車いすの老婦人が18年前の事件を解き明かす

『白い部屋』 怪我で入院中の私立探偵三影潤が数か月前の事件を解き明かす

『青い香炉』 植物学者二木雄太郎が解く○○殺人。嵐の山荘に閉じ込められて…密室殺人じゃない…

『子をとろ子とろ』 ピアノ教師浅田悦子が解く,子供たちが怖がる「子とろ女」のかなしい過去

『うさぎさんは病気』 ピアノ教師浅田悦子が解く,女の子の超能力?

『乳色の朝』 新聞記者吉村駿作が解く誘拐事件