十日近く留守にしていたら、庭の花がびっくりするほど成長していました。でも花ばかりか雑草も大繁殖。今のうちに草取りをしておかないと、夏になって大変なことになるのはわかっているのですが、用事が溜まっていて、なかなか手がつけられません。
ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利 ロバート・バー
平山雄一訳 国書刊行会 2010年 2310円
ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利 ロバート・バー
平山雄一訳 国書刊行会 2010年 2310円
名(迷)探偵ウジェーヌ・ヴァルモンはフランス警察を首になって、ロンドンで探偵業をいとなんでいるという、尊大で自信たっぷりなフランス人。イギリスの人権思想、イギリスの警察の証拠主義的なやり方に業を煮やして、自宅に牢獄を作って拷問まがいの尋問も辞さないらしい。
(あとがきに、ポアロの原型とも言われている、とあります。)フランス人にイギリス人の悪口を言わせつつ、フランス人とイギリス人の両方を風刺しているようです。扱っている事件は、その大げさな語り口に比べて些細なものなんですが、探偵小説として面白く、古風で滑稽で、ずいぶん楽しめました。
『うっかり屋協同組合』はアンソロジーの中で何回か翻訳されているそうで、そういえば読んだことがあるように思いました。『我輩は猫である』の中で漱石がこの作品に言及しているそうで、そちらで読んで覚えがあるのかもしれません。1906年の作品ですが、この手口は現代だって通用しうる。口座振替で長期分割払いをするときには注意しましょう。