壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

虚空の旅人 上橋菜穂子

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虚空の旅人 上橋菜穂子
偕成社軽装版ポッシュ 2007年 900円

『守り人』シリーズ四作目です。14歳になったチャグムは、父帝の代理として隣国サンガルの<新王即位ノ儀>に招かれました。海洋国サンガルに手を延ばす、南の強大なタルシュ帝国の陰謀に巻き込まれたチャグムの運命はいかに(・・・・あらすじ、イイカゲンですが・・・)

南の多島海で水上生活を送る民、船を巧みに操りたくましく海を渡る少女、サンガル国の影の実力者であるしたたかな王族の女たち、どれも(私の大好きな)魅力的な素材です。現実世界での争いとサグ/ナユグ世界の均衡の破綻が予感され、さらに後のシリーズに続く物語の推進力が感じられる巻でした

同じ年のタルサン王子とチャグムとの絡みの場面は、とてもいいですね(♡)。王族としての義務と自分の正義感にどう折り合いをつけていくのか、チャグムの成長も楽しみだし、この巻には登場しないバルサのことも気になるので、次の『神の守り人』を借りてきましょう。