壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

コーデックス レヴ・グロスマン

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コーデックス レヴ・グロスマン
三川基好訳 ソニー・マガジンズ 2006年 2000円

『古書の来歴』を返すついでに、図書館の開架書棚で見つけた本。古書ミステリらしいので借りてみたものの、どうも期待薄・・・でも、それを承知で読み始めました。

投資銀行のアナリストであるエドワードは、顧客である英公爵の大富豪に頼まれて幻の古書『航海』を探す羽目になりました。アルバイトとして雇って中世学専攻の大学院生マーガレットは、それを偽書だというのです。エドワードは幻のコーデックスを追いかけて、現実世界とコンピュータゲームの世界を行き来する不思議な体験をします。

現実世界と古書の内容がゲームの進行に連動し、物語の中に物語が隠され、本の中に本が隠され、公爵の血筋に別の血筋が隠されています。殆どの謎は合理的に解決されるので、これは幻想小説ではなく、古書ミステリであることはたしかです。古書薀蓄は楽しめたし、期待していたよりは面白かったけれど・・・・ごくごく軽い読み物でした。『ステガノグラフィー』:データ(テキスト)の中に隠されたもう一つのデータ(テキスト)という言葉を知ったのが一番の収穫かな。