壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

聖家族 古川日出男

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聖家族 古川日出男
集英社 2008年 2600円

昨年暮れに図書館新刊コーナーにドンと立っていました。二段組700ページ超だけれど、本の小口になにやら不思議な模様↓が・・・。すばやく確保。
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⇒天、地、前小口の順です。




異能の一族・狗塚家の血と記憶を辿ってゆくと、浮かび上がるのは、まだ語られたことのない「もうひとつの歴史」。700年のスケールで"妄想の東北"を描く、異形の超大作2000枚!(集英社

この週末の連休に、読んで、読んで、読んで、読んで、読んで、終わった。えガっだ、分がンねがっだが、おもしれガっだ。(東北弁合ってるかしら)

異様な文体と複雑な構成を持つこの本は読みやすいとはいえませんが、不思議な吸引力があってとっても好みでした。聖家族といえばガウディの教会を連想します。この本も全体像が分らない、いつまでも完成されない物語です。幾層にも重なる物語が断片的に語られます。

円環的時間の中に繰り返し現れるパターンは、三兄弟、三兄妹、三姉妹。trinityなのかtripletなのか。犬(狗)、天狗、烏という異類の棲む異界。境界としての鳥居。記憶と記録。正史と書かれなかった歴史。(まともなあらすじは書けません。)

古川日出男という作家の作品は初めて読みました。さあて、次は何を読もうかな。「血族」とか「種族」がキーワードのようですね。