壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

踊るドルイド グラディス・ミッチェル

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踊るドルイド グラディス・ミッチェル
堤朝子訳 原書房 2008年 2400円

グラディス・ミッチェル、五冊目です。実はだんだん飽きてきたのですが、成り行きで読んでいます。

『野うさぎと猟犬』というクロスカントリーゲームの最中に、見知らぬ男から「ずいぶん遅かったな」と声を掛けられ、薄気味悪い屋敷に立ち寄ることになったオハラ青年は、毛布でぐるぐるに巻かれた重病人を運ばされることになりました。その病人はもう死んでいるようで、あわてて逃げ出したけれど衣服が血まみれでした。なにか重大な犯罪の片棒を担がされたのかもしれない。

出だしは好調だけれど、例によってミッチェルは読者の期待を裏切りながら進行するので、どうしてそこを省略するの? 結局毛布でぐるぐるに巻かれた重病人はどうしたの? など疑問に思うところが多々あります。闇夜のストーンサークルでの集会、海岸の洞窟の冒険というは面白かったんですが、ドルイドという言葉になんのイメージも持てない私には、ケルト民話の雰囲気を感じることもできず、あっさりとしか説明されない大規模な犯罪計画にも不満足。

でも、性懲りもなく「ソルトマーシュの殺人」を読もうと思っています。マンネリの心地よさの域に達したのかもしれません。既読の中では「月が昇るとき」がマイベストです。「ソルトマーシュの殺人」にもそんなに期待はしていません。絶版の「トム・ブラウンの死体」は読んでみたいと思っていますが、復刊はされないような気がしています。だって下のリストを見ると、どの出版社も一冊しか刊行していません。売れないんでしょうね。でも別の出版社から出たら、やっぱり読みますよ。

**********刊行されている邦訳リスト*********
1929年ウォンドルズ・パーヴァの謎河出書房新社
1932年「ソルトマーシュの殺人」国書刊行会
1945年月が昇るとき晶文社
1948年「踊るドルイド原書房
1949年「トム・ブラウンの死体」ハヤカワ
1955年ワトスンの選択 長崎出版
1974年タナスグ湖の怪物論創