グラディス・ミッチェル、五冊目です。実はだんだん飽きてきたのですが、成り行きで読んでいます。
『野うさぎと猟犬』というクロスカントリーゲームの最中に、見知らぬ男から「ずいぶん遅かったな」と声を掛けられ、薄気味悪い屋敷に立ち寄ることになったオハラ青年は、毛布でぐるぐるに巻かれた重病人を運ばされることになりました。その病人はもう死んでいるようで、あわてて逃げ出したけれど衣服が血まみれでした。なにか重大な犯罪の片棒を担がされたのかもしれない。
出だしは好調だけれど、例によってミッチェルは読者の期待を裏切りながら進行するので、どうしてそこを省略するの? 結局毛布でぐるぐるに巻かれた重病人はどうしたの? など疑問に思うところが多々あります。闇夜のストーンサークルでの集会、海岸の洞窟の冒険というは面白かったんですが、ドルイドという言葉になんのイメージも持てない私には、ケルト民話の雰囲気を感じることもできず、あっさりとしか説明されない大規模な犯罪計画にも不満足。
でも、性懲りもなく「ソルトマーシュの殺人」を読もうと思っています。マンネリの心地よさの域に達したのかもしれません。既読の中では「月が昇るとき」がマイベストです。「ソルトマーシュの殺人」にもそんなに期待はしていません。絶版の「トム・ブラウンの死体」は読んでみたいと思っていますが、復刊はされないような気がしています。だって下のリストを見ると、どの出版社も一冊しか刊行していません。売れないんでしょうね。でも別の出版社から出たら、やっぱり読みますよ。