壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2009-09-14から1日間の記事一覧

ソーネチカ リュドミラ・ウリツカヤ

ソーネチカ リュドミラ・ウリツカヤ 沼野恭子訳 新潮クレストブックス 2002年 1600円 ロシア版「女の一生」。本が好きなソーネチカは、どこといって取り得がないようだけれど、どんな状況にあっても「なんてしあわせなんでしょう」と感じることのできる特別…

下りの船 佐藤哲也

下りの船 佐藤哲也 早川書房 想像力の文学 2009年 1600円 久しぶりに図書館の新刊本コーナーを漁っていて見つけた本。佐藤哲也氏の本は初めてです。「想像力の文学」というのと、冒頭の乾いた描写に惹かれました。 風が砂を追い立てる荒れ野の奥に、灰色の小…

ぼくが探偵だった夏 内田康夫

ぼくが探偵だった夏 内田康夫 講談社ミステリーランド 2009年 2200円 「永遠の青年」である浅見光彦の少年時代の事件。『記憶の中の殺人』も少年時代に遭遇した事件でしたが、それに比べて本書はいたって軽い少年探偵物でした。今回のマドンナは転校生の本島…

身もフタもない日本文学史  清水 義範

身もフタもない日本文学史 清水 義範 PHP新書 2009年 700円 日本人がエッセイを書く時、女は清少納言に、男は兼好になる。「枕草子」のように自らのセンスを誇り、「徒然草」のように世の中を叱って己を自慢するのだ。 ・・・という内容紹介を見かけて、エッ…