壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

ソーネチカ リュドミラ・ウリツカヤ

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ソーネチカ リュドミラ・ウリツカヤ
沼野恭子訳 新潮クレストブックス 2002年 1600円

ロシア版「女の一生」。本が好きなソーネチカは、どこといって取り得がないようだけれど、どんな状況にあっても「なんてしあわせなんでしょう」と感じることのできる特別な才能を持っています。

幸せな時は周りの人々に感謝して愛情を注ぎ、不幸な目にあってもそれが変わることはありません。最愛の夫に裏切られた時だって、神の恩寵として受け止めてしまう。

長い孤独な人生の最後も、やすやすと受け入れてしまうソーネチカがうらやましい。不思議に心安らぐ余韻がありました。