壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

読書の価値  森博嗣

読書の価値 森博嗣 NHK出版新書 Kindle 面白い本がないかといつも探している。作家の方たちの読書論を読むと、読みたい本がたくさん見つかることが多い。ミステリの「すべてがFになる」と自分語り「工学部・水柿助教授」シリーズを読んだ事がある。森さんは…

82年生まれ、キム・ジヨン  チョ・ナムジュ

82年生まれ、キム・ジヨン チョ・ナムジュ 斎藤真理子訳 ちくま文庫 Kindle版 2016年に韓国で出版され大ベストセラーになったという。邦訳もベストセラーとして話題になった本が文庫化され、やっと読むことが出来てよかった。 1982年生まれのキム・ジヨンと…

六花落々  西條奈加

六花落々 西條奈加 祥伝社文庫 電子書籍 中谷宇吉郎の『雪』で、古河藩主であった土井利位が著した『雪華図説』に言及されていたので、そのつながりで読み始めた本です。 以前に読んだ西條さんの『涅槃の雪』は、時代的にはこの話のすぐあとになります。天保…

雪  中谷宇吉郎

雪 中谷宇吉郎 岩波文庫 Kindle Unlimited 読んだのはもう50年以上も前です。たしか、岩波新書の赤い表紙だったような気がします。この古典的な科学エッセイが電子版で読めることが嬉しくて、再読しました。すでにパブリック・ドメインに入っているので青空…

三体 Ⅰ  劉 慈欣

三体 Ⅰ 劉 慈欣 早川書房 電子書籍 少し前に話題になった中国SFをやっと読み始めた。いわゆるファースト・コンタクト物だった。世界で大ベストセラーと聞いていたのだが、SFとしては正統派でひねりのない単純明快な筋立てだ。科学ネタがたっぷり仕込まれて…

謎のアジア納豆  高野秀行

謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉 高野秀行 新潮文庫 電子書籍 納豆好きの娘と賞味期限を過ぎた納豆を食べながら、「こんな臭い納豆をおいしいと食べるのは日本人だけだよね」と話していた事を、見事に否定されました。東南アジアの内陸部:タイ…

嘘つき就職相談員とヘンクツ理系女子  松崎有理

嘘つき就職相談員とヘンクツ理系女子 松崎有理 角川文庫 Kindle Unlimited 理系SF『架空論文投稿計画』と『5まで数える』は既読のはず。昨年出版された『シュレディンガーの少女』を読む予定ですが,その前に読み放題の本書を。 北の街の蛸足大学の理学部で…

泪坂  倉阪鬼一郎

泪坂 倉阪鬼一郎 光文社文庫 電子書籍 江戸情緒の人情物かと思ったら,時代は平成でした。でも東京下町の人情たっぷりの………ホラーです。 舞台は泪坂,大きな墓地のある町の切通坂の名前です。その近くに住む江戸指物の職人である橋上清次は,一人娘美鈴の嫁…

田舎の事件 倉阪鬼一郎

田舎の事件 倉阪鬼一郎 幻冬舎文庫 電子書籍 田舎のほのぼのとした出来事を期待して,軽く読めて笑えるものを選んだつもりだったが,かなりの毒が含まれていた。この著者に「ほのぼの」を期待したのは間違いだったのか。田舎を舞台にした事件で,警察も探偵…

湖畔荘(上/下) ケイト・モートン

湖畔荘(上/下) ケイト・モートン 青木純子 訳 創元推理文庫 電子書籍 ケイト・モートンのデビュー作『リヴァトン館』では,英国のお屋敷での70年前の未解決の事件が,95歳の元メイドの視点で語られていました。過去と現在を行ったり来たりしながら,緻密…