壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

三つのおとぎばなし リュドミラ・ウリツカヤ

三つのおとぎばなし リュドミラ・ウリツカヤ

スヴェトラーナ・フィリッポワ イラスト 沼野恭子 訳

小学館世界J文学館 Kindle

小学館世界J文学館の中の一冊です。『小学館世界J文学館』という大型絵本(5500円)を買うと、QRコードから125冊の電子書籍が読めるそうですが、一冊ずつKindleにもなっていました。

リュドミラ・ウリツカヤは『ソーネチカ』『それぞれの少女時代』『通訳ダニエル・シュタイン』と読んできましたが、童話は初めてです。電子化されている超長編『緑の天幕』をいつか読もうと思っています。

「クレビャーキンおじいさん、泣き虫メス馬ミーラ、そして子馬のラフキンの物語」

「ネコのイグナーシイ、煙突そうじ人フェージャ、そしてひとりぼっちのネズミの物語」

「スズメのアントウェルペン、ネコのミヘーエフ、アロエのワーシャ、そしてムカデのマリヤ・セミョーノヴナ一家の物語」

どれも、長い長い題名で、動物と人間たちが、助け合って支え合っていく物語です。寂しくて独りぼっちなみんなが、どうなっていくのかとはらはらしました。絵も可愛くて素敵です。絵はカラーなので、パソコンの画面で読みました。

 

童話はなぜ動物に仮託した物語が多いのでしょうか。昔々、私がやっと字を書けるようになった頃、担任の先生が「今日は、遠足の作文をかいてみましょう」とおっしゃいました。私は、うさぎとイヌとひよこが一緒に遠足に行く話を書きました。

後日、返してもらった作文には、「つくりばなしではなくて、本当のことを書きましょう」と赤ペンが入っていました。そうか!学校の遠足のことだったのか! それまでに読んだ(読んでもらった)本は、どれも動物が主役の本ばかりだったのです。1950年代は、今のように絵本も本も豊富な時代ではありませんでした。