壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

いわさきちひろ  子どもへの愛に生きて 松本 猛

いわさきちひろ 子どもへの愛に生きて 松本 猛

講談社 

いわさきちひろ生誕100年に、ちひろの息子さんが書いた評伝。赤ちゃんの絵本のやわらかなイメージしかなかったが、いろいろ苦労のあった55年の生涯だったようだ。戦前戦中の満州での経験、共産党に入党した経緯、家出同然に上京し自活したことなど、思いもかけない事ばかりだった。評伝としてのファミリー・ヒストリーが詳しく書かれ、後半は息子から見たちひろの一面が描かれていて面白かった。

著者は私と同じ年の1951年生まれで、母のルーツである信州と、東京での生活圏が重なっている所があって、当時のことがいろいろ思い出され、そういう面でも興味深かった。

音訳団体より頼まれて、必要があって読んだ本(紙の本しかないものを、視覚障碍者用資料としてデジタルデータ化し、マークアップして点字や合成音声で利用するため)で、一字一句間違えないように2回見直していたため、二か月もかかっている。もう少しで仕上げられるが、1人でパソコン画面とずっとにらめっこなので、老眼の身には辛いものがある。疲れてしまった。ボランティアは、もうこれで終わりにしようと思っている。