ナツメグの和名はニクズク。子どもの頃に読んだ「二人のロッテ」で、ルイーゼが母親のキッチンで料理をする場面に出てきた“ニクズク”が印象的でした。ずいぶんたってから、ナツメグのことだと知り、ナツメグもメースもお気に入りの香辛料になりました。
ジョン・コリアの名前はどこかで聞いたことはあるけれど、一冊の本として読んだ事はないはず。きっとアンソロジーの中にあったのだろうと思って、図書館の新刊コーナーからさらうように借りてきた中の一冊です。昔「奇妙な味」が流行った時期があったけれど今再流行のようで、再録された短編集です。読んだ事はないけれど懐かしい。
『ナツメグの味』・・カクテルに入れるのは一つまみのナツメグ。メースではダメなのに・・
『特別配達』・・マネキンに恋すると・・
『異説アメリカの悲劇』・・若者はすべての歯を抜いて・・
『魔女の金』・・小切手を知らない人々は・・
『猛禽』・・あの屋敷が未だに空き家なのは・・
『だから、ビールジーなんていないんだ』・・小さなサイモンの言う事を信じないばかりに・・
『宵待草』・・夜の百貨店に棲みついたものたちは・・
『夜だ! 青春だ! パリだ! 見ろ、月も出てる!』・・大きな黒い旅行鞄の中に・・
『遅すぎた来訪』・・目に見えない同居人が・・
『葦毛の馬の美女』・・アイルランドの領土気取りの青年は・・
『壜詰めパーティ』・・瓶詰め魔神を購入したならば・・
『頼みの綱』・・ロープ奇術の種明かしを知った時には・・
『特別配達』・・マネキンに恋すると・・
『異説アメリカの悲劇』・・若者はすべての歯を抜いて・・
『魔女の金』・・小切手を知らない人々は・・
『猛禽』・・あの屋敷が未だに空き家なのは・・
『だから、ビールジーなんていないんだ』・・小さなサイモンの言う事を信じないばかりに・・
『宵待草』・・夜の百貨店に棲みついたものたちは・・
『夜だ! 青春だ! パリだ! 見ろ、月も出てる!』・・大きな黒い旅行鞄の中に・・
『遅すぎた来訪』・・目に見えない同居人が・・
『葦毛の馬の美女』・・アイルランドの領土気取りの青年は・・
『壜詰めパーティ』・・瓶詰め魔神を購入したならば・・
『頼みの綱』・・ロープ奇術の種明かしを知った時には・・
洒脱で、それでいて背筋がほんの少しだけ寒くなるけれど、かすかな黒い笑い声も聴こえる、そんな作品です。怪奇とかホラーではなくて、やはり奇妙な味ですね。でも、結構ブラックなのに後味があまり奇妙でないのは、因果応報的なオチだからでしょうか。コリアらしい最盛期の作品。
悪魔と張り合った結果ハッピーエンドを迎える、軽妙でホラー要素のない初期の作品です。
『ひめやかに甲虫は歩む』・・悠揚迫らぬ態度の老人は懲りもせずに次の・・
『船から落ちた男』・・大海蛇を探す航海に出た男二人は懲りもせずに次の・・
『船から落ちた男』・・大海蛇を探す航海に出た男二人は懲りもせずに次の・・
ゆっくりと巧みな語り口で進行する物語はかすかな皮肉に彩られ、余韻を残す後期の作品です。