壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

壊れやすいもの ニール・ゲイマン

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壊れやすいもの ニール・ゲイマン
金原瑞人・野沢佳織訳 角川書店 2009年 2800円

図書館の新着コーナーで見つけ、表紙がキレイなので「ニール・ゲイマン」って誰だっけ?というくらいの興味で借りてきました。短編集なので気軽に読み始めたところ、一番目『翠色の習作』でもうびっくり。「ホームズがラヴクラフトに遭遇する物語」というテーマに沿った作品だそうで、見事な手腕でした。31編ある作品は多彩で、ゲイマンの多才さが遺憾なく発揮されているといったところでしょうか。

著者によるあとがきの中にさえ、短編が一つ入っています。SFもオカルトも伝奇も詩も何だかわからない物もファンタジーも奇妙な味もパロディーも何もかも全部詰まっている、お買い得で驚きの福袋です。ぎっしり詰まっていたので、読むのに四日もかかりました。

最終話『谷間の王者』は『アメリカン・ゴッズ』後日譚だそうで、これはなかなかおもしろかったので、これまであまり興味のなかったジャンルですが、ゲイマンの長編に挑戦してみようかと思います。どれがいいかしらね。




↓meno未↓meno読↓menoの↓meno方↓menoは↓meno要↓meno注↓meno意↓meno↓




『翠色の習作』:異世界でもホームズはホームズ
『妖精のリール』:切ない詩
『十月の集まり』:十二ヶ月(森は生きている)たちのすべらない話^^
『秘密の部屋』:ゴシック詩
『顔なき奴隷の禁断の花嫁が、恐ろしい欲望の夜の秘密の館で』:ゴシック世界でかかれるリアリズム小説とは
『メモリー・レーンの燧石』:実話風奇妙な味
閉店時間』:古めかしくてどこか懐かしいホラー
『森人ウードゥになる』:詩
『苦いコーヒー』:夢の記録のように、わからないけれどおもしろい。
『他人』:これはメビウスの悪魔だな、きっと
『形見と宝』:あるチンピラの手記。少年はシャヒナイ族の宝で
『よい子にはごほうびを』: コントラバスの思い出は実話だそうな
『ミス・フィンチ失踪事件の真相』:胡散臭いサーカスに置き去り?
『ストレンジ・リトル・ガールズ』:12編のシートショート
『ハーレクインのヴァレンタイン』:本物のハートをプレゼントしたら
『髪と鍵』:おとぎ話を読み聞かせると
『スーザンの問題』:ナルニアンの永遠の謎がひっくり返され、さらにわからなくなった
『指示 』:詩。おとぎの世界ではこんな風にしなさいね
『どんな気持ちかわかる? 』:ガーゴイルが心臓を守っていると
『おれの人生』:ナンセンス詩
『ヴァンパイア・タロットの十五枚の絵入りカード』:それぞれの物語には絵が欲しい
『食う者、食わせる者』:哀愁ホラー
『疾病考案者性喉頭炎』:家庭の医学のパロディー
『最後に』:聖書の最終章だそうな
ゴリアテ』:マトリックス世界のスペオペ
オクラホマ州タルサとケンタッキー州ルイヴィルのあいだのどこかで、グレイハウンド・バスに置き忘れられた靴箱の中の、日記の数ページ』:そのまんまだけどアメリカって感じ
パーティで女の子に話しかけるには』:地球観光の御一行様と遭遇、それとも女の子は宇宙人?
『円盤がきた日』:詩 なかなか良い
『サンバード』:美食家たちが究極のグルメを求めてフェニックスを
『アラディン創造』:シェヘラザードだって、物語を一生懸命作っていたのだ
『谷間の王者』:シャドウが故郷に帰る前にスコットランド