富士山 平野敬一郎
Audible
Audibleで聴いた『息吹』を収録した短編集『富士山』を聴いた。字で読みたいところではあるが、耳からでも非常にわかりやすい文章だった。朗読の巧みさもあるのだろう。「もし、あの時あれがあれば(無ければ)・・・」をテーマにした短編が5編。
どれも、身近なテーマの短い話だけれど、印象的で人生を振り返って考えたくなる。自分がもしあの時、そうしていたら/していなかったら、人生がどう変わったのだろうかと・・・。
「富士山」: マッチングアプリで知り合い結婚を決めた相手だったが・・・。あの事がなくて、すんなり結婚したとしても、相手のことがわかるわけではないと思う。
「息吹」: あの時、宇治金時を食べたなら・・・。「それもまた運命」と思うのは、年を取ったせいだろう。
「鏡と自画像」: 破滅的な最後を迎えなくてすんだのは、あの自画像があったからなのだろうか。
「手先が器用」 って言われ続ければ、そうなりそう。「ダメ、ダメ」って言われ続けたらダメになる。
「ストレス・リレー」:他人に対する「イライラ」を別の人に向けるから、ストレスが連鎖していく。河原でウクレレを弾くような「ストレス解消」は大事だね。