壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

夜のピクニック

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夜のピクニック 恩田陸 新潮社 

恩田陸の名前は「六番目の小夜子」で知っていましたが、テレビドラマがあまり面白くなく、原作を読もうとは思いませんでしたが、子供の本棚にあった「六番目の小夜子」を読むと、なんとおもしろいんです。

ということで、「光の帝国―常野物語」 「ドミノ」「 麦の海に沈む果実」 「 三月は深き紅の淵を」 「図書室の海」「木曜組曲」 「月の裏側」 を以前に読みました。「ドミノ」は最後まで飽きさせない勢いがありました。他のものはそれなりにおもしろかったけれど、やはり自分がもう若くないということを感じてしまいました。何か物足りないというか、若い人向きというか(子供だましというか、まあ、そこまでいうと言い過ぎです)。例えば「 三月は深き紅の淵を」はおもしろい語り口で始まり期待が大きいのですが、最後にはしごをはずされた感じです。

でも「夜のピクニック」はおもしろかった。自分が若くないということを、一瞬忘れました。「六番目の小夜子」と同じテイストです。時代や状況が全く違いますが、高校生活に普遍性が感じられるのです。どの時代にも通じる思春期特有の雰囲気がよく出ているのだと思います。