壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

神なるオオカミ(上下) 姜 戎

神なるオオカミ(上下) 姜 戎 唐亜明・関野喜久子訳 講談社 2007年 各1900円 文化大革命のころ、内モンゴルのオロン草原に下放された知識青年・陳陣(チェンジェン)は、モンゴル人の老人ビリグの下で羊飼いをすることになりました。遊牧民たちが家畜を襲う…

土曜日 イアン・マキューアン

土曜日 イアン・マキューアン 小山太一 訳 新潮クレストブックス 2007年 2200円 ずいぶんと更新の間が空いてしまいました。家族の急な取込み事で本を読むことがほとんどできず、長い間同じ本を持ち歩き、三回の土曜日を経てやっと読み終わりました。それでも…

通訳 ディエゴ・マラーニ

通訳 ディエゴ・マラーニ 橋本 勝雄訳 東京創元社 2008年 2300円 ジュネーヴの国際機関で通訳部門の責任者であったフェリックス・ベラミの破滅は、部下の通訳の解雇に同意する書類にサインしたときから始まった。その通訳の男は16ヶ国語を自在に操り会議で同…

青の美術史 小林康夫

青の美術史 小林康夫 ポーラ文化研究所 1999年 1800円 「青の歴史」関連のものですが、美術史に特化した比較的短い読み物です。しかし内容の多くが絵画の分析に費やされていて素人にとっては、ついていくのが大変でした。フラ・アンジェリコの「受胎告知」は…

田園の憂鬱―或いは病める薔薇 佐藤春夫

田園の憂鬱―或いは病める薔薇 佐藤春夫 河出書房 グリーン版日本文学全集 18 昭和46年(1971年)430円 『未読だけど「懐かしの**」本』企画の第三弾は、「百年の誤読」で「ディストピア版となりのトトロ」と評された佐藤春夫の「田園の憂鬱」です。懐かしさ…

香水 ある人殺しの物語 パトリック・ ジュースキント

香水 ある人殺しの物語 パトリック ジュースキント 池内紀訳 文春文庫 2003年(単行本1988年) 770円 「匂い」つながりで読もうと手に入れたまま、「匂いの帝王」の胡散臭さに当てられて、積読しておいた本。この本はもっとはやく読めばよかった。物語もテン…

王を殺した豚 王が愛した象 ミシェル・パストゥロー

王を殺した豚 王が愛した象 ミシェル・パストゥロー 松村恵理・松村剛訳 筑摩書房 2003年 2400円 「青の歴史」の作者・パストゥローの本です。「箱舟の航海日誌」からの連想ですが、箱舟に乗った動物たちについての記述もありました。 雑多なエピソードの寄…

グラックの卵

グラックの卵 ハーヴェイ・ジェイコブズ他 浅倉久志編訳 国書刊行会 2006年 2400円 『未読だけど「懐かしの**」本』一人企画の第二弾は「懐かしのSF」。浅倉久志さんのアンソロジーがドンピシャでした。1940年代から60年代の海外ユーモアSF短編集です。ユー…

ビーコン街の殺人

ビーコン街の殺人 ロジャー・スカーレット 板垣節子訳 論創海外ミステリ 2007年 2000円 「百年の誤読」から連想して『未読だけど「懐かしの**」本』を企画してみました。どうせ、二、三冊で終わるはずの企画ですが、今回は「懐かしのミステリ」。私の推理小…