ジャン=マリ・ギュスターヴ ル・クレジオの自伝的物語で、三部作（『黄金探索者』『隔離』（未訳）『回帰』）の一つ。モーリシャス島生まれの著者の祖父に題材をとった海賊の宝を探し続けた男アレクシスの物語です。
モーリシャス島での幸せだった少年時代の美しい日々が、家族や友人への郷愁とともに語られます。そして父親の事業の失敗と死によって安住の地を失い、父親の残した文書をたどってロドリゲス島で宝探しを始めます。かつての楽園のような家を取り戻すために夢を追いかけるうち、山の民の娘ウーマと幸せな出あいを果たしました。しかし、志願してヨーロッパ戦線に向かったアレクシスは、戦後再びロドリゲス島にもどり宝探しを始めるのですが、・・・。
ブラドメール船長のゼータ号に乗ってさんご礁の島々を航海する日々の美しさ、いつまでも少年の日々を追い求めるアレクシスの夢見るような情熱が記された美しい物語です。
