壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

世界のキルト文化図鑑 キャロライン・クラブトゥリー, クリスティーン・ショー

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世界のキルト文化図鑑 キャロライン・クラブトゥリー, クリスティーン・ショー
福井正子訳 柊風舎 2008年 15000円

こういう高価な大型本は図書館で借りるに限ります。もちろん文庫本だって借りますけど。最近まとまった本を読めなくて、パラパラとこんな本を眺めては、取り留めのないことを考えています。

アトウッドの「またの名をグレイス」に出てきたキルトのデザインに興味を持ちました。よく見かけるキルトパターンは欧米のものばかりでしたが、いろいろなキルト(パッチワークやアップリケも)が世界中で作られているそうです。古くは紀元前11世紀のエジプトや中央アジアで発掘されたものなど。もっとも迫力があるのは南米の作品でした。

産業革命以前の布が貴重品だった時代に、節約のために作られた日常使いのキルト作品は、あまり残っていないわけで、掲載されている写真は、装飾用や祭礼用のキルトなど色鮮やかなものが多いです。アイヌ民族の美しい衣装は別にして、日本特有のキルトは刺し子ですが、こういう実用品はあまり残っていないのね。

功名が辻」に出てきた千代の小袖のような寄せ布には言及がありませんでしたが、あれは史実ではないのかしら。写真があったのは継ぎはぎの布団側でした。日本では昔、布のリサイクルが盛んに行われていたと書かれていました。

子供のころ(半世紀前)、布団の表側は誰某の着物だった布が使われていて、その来歴を聞かされたりしたものでした。洋服だって古着の仕立て直しが多かったのですが、いつの間にか世の中が変わってしまいました。今の古着はおしゃれのためのものですね。

同じ著者の本に「世界のビーズ文化図鑑」というのがあるので、眺めてみましょう。手芸はまったくできないけれど、見るのは大好きです。