壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

災いの古書

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災いの古書 ジョン・ダニング
横山啓明訳 ハヤカワ・ミステリー文庫 2007年 900円

古本や古書をキーワードにして新刊本を探していたら、こんな面白いミステリーに行き当りました。元警官の古書店主クリフ・ジェーンウェイのシリーズ第四作だそうです。ちょっとハードボイルドで、トリックよりも心理描写や動機が中心の物語運びです。

クリフの恋人で弁護士のエリンは、かつての親友ローラの夫が射殺された事件で、ローラの弁護を引き受けることになりました。被害者は貴重なサイン本の収集をしていた事から、クリフは調査を頼まれました。エリンとローラのねじれた関係、うさんくさい保安官代理、言葉を発する事ができない少年など、なにやら訳ありげで最後まで一気に読んでしまいました。

古書に関する薀蓄はそれほどでもないのですが、古書に目の色が変わってしまう様子の主人公がいいですね。このシリーズは、そのうち第一作から読みたいと思います。「死の蔵書」「幻の特装本」「失われし書庫」が既刊。