古本や古書をキーワードにして新刊本を探していたら、こんな面白いミステリーに行き当りました。元警官の古書店主クリフ・ジェーンウェイのシリーズ第四作だそうです。ちょっとハードボイルドで、トリックよりも心理描写や動機が中心の物語運びです。
クリフの恋人で弁護士のエリンは、かつての親友ローラの夫が射殺された事件で、ローラの弁護を引き受けることになりました。被害者は貴重なサイン本の収集をしていた事から、クリフは調査を頼まれました。エリンとローラのねじれた関係、うさんくさい保安官代理、言葉を発する事ができない少年など、なにやら訳ありげで最後まで一気に読んでしまいました。
古書に関する薀蓄はそれほどでもないのですが、古書に目の色が変わってしまう様子の主人公がいいですね。このシリーズは、そのうち第一作から読みたいと思います。「死の蔵書」「幻の特装本」「失われし書庫」が既刊。