若竹さんの葉崎シリーズ第三作は、小粒でピリリと辛い中篇でした。「古書店アゼリアの死体」と同じ年に刊行されていて、「ヴィラ・マグノリア」の住人(鬼頭と中里)がちょっと登場します。そしてヒロイン(語り手)は中学二年生の女の子、渚です。今のところ、シリーズ最年少ですね。渚という名前の由来には爆笑。猫島に関係があるんです。
誕生日と夏休みの前日、ストーカーに襲われて重態だった兄嫁が病院で亡くなり、ストーカー本人も変死しました。警察は兄良輔をストーカー殺しの容疑者としてマークしています。兄の容疑を晴らすべく、渚は行動を開始します。
親友とのバカ話とか、幼馴染の男の子との関係とか、かわいい中学生のさわやか青春ミステリーだと思ったら、最後の最後で、エェ~・・・・やっぱり若竹さんでした。