片をつける 越智月子
ポプラ社 図書館本
隣に住む老婆の部屋の片付けをすることになったアラフォー女性の話。図書館でずいぶん前に予約した本だが、なぜ読みたかったのか覚えていない。たぶん、「老婆/片付け」が気になったのだろう。ライトなので、一日で読み終えた。
汚部屋のお片付けの実話はネット記事で見たことがある。汚部屋や汚屋敷になるには、その住人にそれ相応の事情があり、簡単に解決するものではないという認識があったが、この小説では、わりとスムースにお片付けができている。
主人公(視点となる人物)は老婆ではなくアラフォーの独身女性だが、この女性の人物像がなかなか把握できなかった。ネグレクトされて育ったという過去を抱えてはいるが、親の遺産で生活に不自由なく暮らし、子供に絵本を読むボランティアを自宅で開いている。そのため、時間が自由に使え、隣の不機嫌そうな婆さんの部屋の片付けを気楽にはじめてしまうというのが、なんだかなあ。
老婆目線で話が進行したほうが、面白い話になったかもしれないと思うが、想定されている読者は高齢者ではないのだろう。 独居老人のひとりごとです。